アマゾンのCO2、排出が吸収を上回る ブラジル研究者が計測

ガブリエル・ゲートハウス、BBCニューズナイト

Deforestation Amazon Image copyright AFP/Getty
Image caption 気候変動対策と関係のある研究結果が明らかになった

アマゾン熱帯雨林の最大5分の1で、二酸化炭素(CO2)排出量が吸収量を上回っていることが、最新の研究で明らかになった。

アマゾン川流域での温室効果ガスに関する、10年間にわたる研究結果では、この地域全体の約20%が、大気中のCO2の排出源だと示している。

その主な原因の1つは、アマゾンの森林破壊だという。

樹木は成長段階では大気中のCO2を吸収するが、死んでしまうとCO2を排出する。

近年、数百もの樹木が伐採や火災によって失われている。

今回の研究結果はまだ発表されていないが、気候変動に対抗するための取り組みと関係がある。

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CO2排出量が吸収量を上回る

炭素を蓄える重要な場所であるアマゾン熱帯林は地球温暖化のスピードを緩やかにする。そのアマゾンが、これまで考えられていたよりも早期に、炭素源へと変化しつつあるかもしれないと、研究結果は示唆している。

ブラジル国立宇宙研究所の研究者、ルシアナ・ガッティ教授率いる科学者チームは過去10年間、2週間に1回の頻度で、センサーを搭載した航空機をアマゾン川流域の異なる地域の上空で飛ばし、温室効果ガスを計測している。

このチームの発見は衝撃的だった。アマゾン熱帯雨林のほとんどは依然として、大量のCO2を吸収する力を(特に雨季に)維持している。その一方で、とりわけ森林がひどく破壊されている一部地域では、そうした力を失っているようだというものだったからだ。

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アマゾンの森林火災、熱による「負の連鎖」も

ガッティ教授らによる研究によると、アマゾン熱帯雨林の約20%にあたる南東部地域が炭素源と化しているという。

ガッティ教授は、BBCの番組「ニューズナイト」に対し、「毎年状況は悪化している」と述べた。

「私たちは、重要な炭素源となっている南東部地域を観察した。雨量が多い年あるいは乾燥した年だということは関係ありません。2017~2018年は雨量の多い年だったが、違いはなかった」

森林は、樹木が死んで大気中に炭素を排出するようになれば、炭素をためる代わりに排出する場所になり得る。

また、森林破壊が起きている地域も、アマゾンが炭素を吸収する力を失っていることに関係している。

アマゾンの「重大な転換点」

ガッティ教授の研究の共同著者で、サンパウロ大学高等研究所の研究者のカルロス・ノブレ教授は、アマゾンの観察結果は「重大な転換点の始まりを示している可能性がある」ため、「非常に気がかり」だと述べた。

ノブレ教授は、今回の研究結果について、今後30年の間に、アマゾンの半分以上の地域が熱帯雨林から草原(サバンナ)へと変化する可能性があることを示していると考えている。

複数の科学者は数十年もの間、アマゾンが自己再生能力を失い、吸収するよりも多くの炭素を排出し始めるという、「アマゾンの転換点」について警鐘を鳴らしてきた。

CO2吸収能力が減少

ブラジルのアマゾン研究の第一人者のノブレ教授は、「アマゾンはかつて、1980年代や1990年代には非常に強力な炭素の貯蓄場所だった。おそらく、大気中から年間20億トンものCO2を取り除いていた」と話す。

「今日では、アマゾンのCO2吸収能力は、おそらく年間10~12億トンに減少している」

10億トンは、2018年にイギリスが排出したと公表したCO2量の3倍近くにあたる。

一方で、この数字には森林破壊や森林火災によるCO2排出量は考慮されていない。そして、アマゾンでの森林破壊は近年著しく増加している。2019年は特にひどく、7月から9月の間に1月あたり1000平方キロメール以上も森林破壊が進んだ。

「私たちの推計では、森林破壊地域が20~25%を超え、大量のCO2が排出されるという筋書き通り、地球温暖化が減速しないままだとすると、アマゾンの転換点に達するだろう」と、当初から「転換点」説を提唱してきた専門家の1人のノブレ教授は言う。「現状、森林破壊は約17%進んでいる」。

Image copyright Planet Labs Inc.

「転換点」はいつ訪れるのか

いつ「アマゾンの転換点」に達するのかということについては、科学者の間で意見が割れている。

ユニバーシティ・コレッジ・ロンドン(UCL)で地球変動科学を教えるサイモン・ルイス教授は、「一部の人は、地球温度が3度上昇するまで起こらないと考えている。一方でほかの人は、今世紀の終わりにかけて、森林破壊が20%以上進む可能性があるので、来世紀あるいは2世紀後に起こるのではないかと考えている。なので、これは非常に、非常に確信が持てないことだ」と説明してくれた。

一方でルイス教授は、ノブレ教授の研究結果に「驚いた」という。「おそらく私が当初考えていたよりもずっと早い時期に起こると指摘している」からだと述べた。

ノブレ教授の仮説は、気候モデルをもとにしたもの。これ対して最新の研究は、より正確な結果を導き出す実際の観察に基づいたものだ。

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ガッティ教授はニューズナイトに対し、アマゾンでのこの傾向を逆転することが可能かどうかを証明するために、森林破壊が停滞していることを期待していたという。しかし、その可能性はなさそうだ。

ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領は、アマゾン熱帯雨林における優先順位を明確に示している。保全より発展が重要だと。

アマゾンの保護は今のところ、政治的な選択に委ねられている。しかし科学者は、その選択が今後、そう長くは存在しないかもしれないと示唆している。

(英語記事 Deforested Amazon areas 'net emitters of CO2'

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