米政府チャーター機、米国到着 14人の感染を確認

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新型ウイルス感染のクルーズ船、米国人乗客が帰国の途へ

新型コロナウイルスの集団感染が確認された、クルーズ船に乗船していたアメリカ市民数百人を乗せたチャーター機2機が、アメリカに到着した。

チャーター機1機は16日深夜(日本時間17日夕)にカリフォルニア州のトラヴィス空軍基地に、もう1機は17日早朝(日本時間17日夜)にテキサス州サンアントニオ統合基地に着陸した。

乗客は米軍施設で14日間にわたり隔離される。

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乗客乗員約3700人を乗せた「ダイヤモンド・プリンセス」は、新型ウイルスに感染していた香港の男性(80)が乗船していたことが判明し、今月3日から横浜での停泊を余儀なくされている。

クルーズ船には約400人のアメリカ人が乗船していた。

アメリカへ送還された乗客は今後どうなる?

米国務省によると、クルーズ船のアメリカ人乗客300人以上が自発的に送還を選んだ。このうち14人について、移動中に行われたウイルス検査で陽性反応が出たとの報告があり、ほかの乗客から隔離させていたという。

乗客は全員、クルーズ船内での隔離期間に加えて、さらに14日間の隔離措置を受けることとなる。

米当局者はその後、感染の「危険性が高い」と考えられる乗客13人について、ネブラスカ大学(ネブラスカ州オマハ)の特別施設へと移送したと述べた。

感染者は日本国内で治療

チャーター機搭乗前には、少なくとも40人のアメリカ人の感染が確認された。

米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は16日、米CBS番組「フェイス・ザ・ネイション」内で、感染が確認されたアメリカ人はチャーター便には乗らず、日本国内で治療を受けることになると述べた。

チャーター機での退避拒否も

一部のアメリカ人はチャーター機での退避を拒否し、隔離措置が解除される2月19日まで船内に残ることを選んだ。

クルーズ船の乗客で弁護士のマット・スミスさんは、感染の可能性がある人たちと一緒にバスに乗って、チャーター機まで移動したくないと述べた。

「私たちは予定通り船内での隔離措置をただ終えたい。日本で数日間、隔離されていない状態でリラックスしてから、私たち自身で手配した通りにアメリカへ空路で戻りたい。それのどこが悪いんだ?」

ダイヤモンド・プリンセスで何が起きている?

横浜に停泊するクルーズ船での集団感染は、中国国外の感染としては最大規模。

日本の厚生労働省は17日、クルーズ船で新たに99人の感染が確認されたと発表。船内での感染者は合わせて454人に上った。

ロイター通信は、乗客のロシア人女性1人に陽性反応が出たと報じた。ロシア人の感染が確認されたのは初めてだとしている。

日本のロシア大使館によると、この女性は治療のため病院へ搬送される予定という。

Image copyright AFP
Image caption アメリカ行きのチャーター機は羽田国際空港を出発した

救援活動を支援するため、日本政府はクルーズ船の乗客に対して各客室に1台ずつ、計2000台のiPhoneを配布した。

乗客は、厚生労働省が設置した専用アプリを使用し、医師や薬剤師、心理カウンセラーとやりとりができるという。日本国外で登録されている携帯電話からは、このアプリにアクセスはできない。

イスラエル、香港、カナダもそれぞれの市民を退避させるため、チャーター機の手配をしている。オーストラリアも17日、同国の200人を退避させると発表した。イギリスも退避機の調整を検討しているという。

過去24時間で2000人以上が感染

こうした中、中国は同国国内での新型ウイルス感染者について、過去24時間で2051人増加したと発表した。新たな感染者の94%は、新型ウイルスの発生源の湖北省内で確認されたという。

中国全土ではこれまでに7万600人以上が感染したほか、1771人が死亡した。新たな感染や死亡のほとんどは、湖北省最大の街、武漢市で報告されている。

Image caption 中国でのCOIVD-19感染者数(青色)と死者数(赤色)出典:中国衛生健康委員会、BBCリサーチまとめ(2月17日時点)

中国で何が起きている?

16日時点での公式データによると、湖北省内で100人が死亡した。1日あたりの死者数は、前日15日の139人から減少した。

人口6000万人の湖北省では、中国当局がアウトブレイク(大流行)に対抗するための移動制限を厳しくしている。

同省の住民は、自宅待機を命じられているが、非常時には自宅を離れることは許可されるという。また、食料や必需品の購入のための、3日置きの外出が許されるのは、各家庭につき1人に制限されることになる。

Image caption 中国国内での死者数。より幅広い「感染者」の定義付けを導入直後の2月13日に一気に増加したが、その後は減少している  出典:中国国家衛生健康委員会

団地では、開放される入り口は1箇所に限定される。確実に住民のみが出入りできるよう、監視されるという。

薬局やホテル、食材店、医療サービス以外の事業はすべて、閉鎖が続くこととなる。

必需品の宅配で使用する車両を除く、自家用車の使用も禁止される。

一方、北京当局は、市内に戻ってきた人々対し、14日間の隔離措置を受けるよう命じた。応じない場合には、処罰の対象となる可能性がある。

中国人民銀行(中央銀行)では、新型ウイルスの拡大を止めるため、使用済みの紙幣を再び流通させる前に消毒し保管するという。

感染判断に「臨床診断」の症例も含む

中国当局は先週、新型ウイルスの感染の有無を判断する方法を変更した。「臨床診断」の症例も含むこととなり、変更直後には新たな症例数が急増した。しかしその後は減少傾向にある。

中国の国家衛生健康委員会(NHC)の米鋒報道官は、症例数の減少は中国がアウトブレイクをなんとか抑制できていることを示していると述べた。

Image caption 各国の新型コロナウイルス感染者数。左上から日本513人(クルーズ船の454人を含む)、シンガポール75人、タイ34人、韓国30人と続く。 出典:欧州疾病予防管理センター、厚生労働省(2月17日現在)

そのほかの最新状況

  • 2月23日の天皇陛下(徳仁さま)の誕生日に初めて行われる一般参賀が、新型ウイルスの感染拡大を受けて中止となった
  • 3月1日の東京マラソンを主催する東京マラソン財団は、都内で新型ウイルス感染が確認されたことを受け、一般参加(約3800人が出走予定)を取りやめると発表。マラソンエリート、車椅子エリートの部のみ実施するという
  • 中国の全国人民代表大会常務委員会は、3月5日から予定されていた全人代(国会に相当)の延期について協議するため、2月24日に常務委員会を開く方針を示した
  • カンボジアに入港したクルーズ船を下船したアメリカ人女性1人が、移動先のマレーシアで新型ウイルス陽性と確認された。クルーズ船のほかの乗客もすでに下船しており、世界中に移動していることから不安の声が上がっている
  • ロシア・サンクトペテルブルクの裁判所から、隔離施設へと戻るよう命じられていたロシア人女性アーラ・イリーナ氏が病院へ戻った。ウイルス検査で3回にわたり陰性となったものの、2週間の隔離措置を受けるよう求められたイリーナ氏は先週、隔離施設から逃げ出していた
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Image caption ロシア・サンクトペテルブルクの地方裁判所を後にするアーラ・イリーナ氏(17日)

台湾は、直近の海外渡航歴のないタクシー運転手(61)が死亡したと発表した。この運転手は糖尿病とB型肝炎を患っていたと、台湾の衛生福利部の陳時中部長は述べた。運転手の乗客の多くは中国から来た人たちだったという。

中国国外では、30近い国々で600人以上に感染している。また、中国大陸以外での死者は、フランス、香港、フィリピン、日本で確認されている。

(英語記事 Cruise ship US passengers home to new quarantine

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