プライベートジェットの問い合わせ、新型ウイルスで急増

ジャスティン・ハーパー、BBCニュース

The interior of a private jet. Image copyright Getty Images

新型コロナウイルスがアウトブレイク(大流行)する中、プライベートジェット運航会社にチャーター機の手配を求める問い合わせが急増しているという。

複数の航空会社が中国発着便の運航を縮小する中、一部旅行客は中国国内外に取り残されている。

そうした中、富裕層は莫大な費用がかかるにも関わらず、フライトの手配をプライベートジェット運航会社に頼っている。

しかし運航会社は、渡航禁止措置や、利用可能な機体や乗員が不足していることから、こうした申し入れを断らなければならない状況だ。

隔離措置を懸念

オーストラリアを拠点とするパラマウント・ビジネス・ジェッツのダリン・ヴォイルズ氏によると、同社では需要の「相当な増加」がみられるものの、その大半は人員や機体が調達できないため対応できないという。

「航空機所有者の多くは、単純に、自分の機体や乗務員を中国大陸に飛行させたくないのだ。乗員がウイルスにさらされるリスクは別としても、中国大陸から戻った乗員は直ちに隔離されるため、基本的に2週間働けなくなることが、運航上や運営上の懸念となっている」

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機体を貸してもらえず

シンガポールにあるマイジェット・アジアによると、先月のプライベートジェット需要は80%~90%上昇したという。「多くの人々が春節に合わせて渡航し、今ではなかなか中国に戻れず苦労している」と、同社のローガン・ラヴィシュカンサー最高経営責任者(CEO)は話す。北京や上海、香港へ戻れないかという問い合わせが特に多いという。

「しかし、利益になるにもかかわらず、航空会社は我々に機体を貸してはくれない。飛行可能な場所が、大幅に制限されている」

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一方でほかの旅行者は、中国から出国しようと必死だ。イギリスが拠点の、チャーター機の国際予約サービス、プライベート・フライのアダム・トワイデルCEOによると、同社は南アフリカからの政府系クライアントから、「乗客数百人のため武漢出発便を4便手配」できないかと問い合わせを受けたという。

同社には、ほかにも個人や団体から問い合わせが集中しているという。

パラマウント・ビジネス・ジェッツによると、「超軽量ジェット機」1機では2人から4人の乗客を輸送できる。費用は1時間で最大2400ドル(約26万円)。一方、「超中型」ジェット機1機の場合、8人から10人まで搭乗可能で、1時間6000ドル(約66万円)かかるという。

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プライベート機好む傾向に?

世界的プライベートジェット会社のヴィスタ・ジェットは、中国発着便の運航を停止しているにも関わらず、過去1カ月間の問い合わせは2桁増だったと明かした。

同社のイアン・ムーア最高商業責任者(CCO)は、「問い合わせが増えた理由のほとんどは春節関連だ。それでも、新型コロナウイルス大流行の影響が出ている微妙な時期なだけに、一般旅客機よりプライベート機を好む顧客も増えていると受け止めている」と話した。

ラヴィシュカンサー氏は、2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が大流行した当時は、今よりはるかに簡単に飛行機をチャーターできたと言う。

「当時も膨大な需要があったが、国から国へ空路で出入りするのはずっと簡単だった。それに対して今回は、政府の規制が厳しくなっている」。

(英語記事 Coronavirus triggers boom in private jet enquiries

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