新型ウイルスで中国が初の大規模調査 「80%以上は軽度」

Doctors examining patient in Wuhan

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致死率が最も高かったのは80歳以上の高齢者で14.8%だった

中国の衛生当局は17日、新型コロナウイルスによる「COVID-19」に関する、初の大規模調査の結果を公表した。症例7万件以上について調べたとしている。

中国疾病管理予防センター(CCDC)の調査では、症状が出た人の80%以上は軽度で、高齢者が最も危険度が高いことがわかった。

また、医療従事者も危険度が高いと結果となった。

COVID-19ウイルスの致死率は2.3%だった。

感染が最も深刻な中国湖北省では致死率は2.9%で、同国の他の地域ではわずか0.4%との結果が出た。

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中国の当局は18日、これまでに新型ウイルスの死者は1868人、感染者は7万2436人を確認したと発表した。

17日だけで新たに死者98人、感染者1886人を確認した。うち、死者93人、感染者1807人は湖南省の人だった。

当局はまた、1万2000人以上がCOVID-19から回復したとしている。

40歳未満の致死率は0.2%

中国の医学誌に発表された調査は、2月11日時点で感染が確認されたか疑われていた、または無症状だった、診断済みの7万2314人を対象にした。

調査結果はおおむね、それまで示されていたウイルスの特徴や感染パターンを裏付けるものだった。一方で、中国全土の感染者4万4672人について細かく分類した。

判明したことには以下が含まれる。

  • 感染者の80.9%は軽度に分類され、13.8%が重度、4.7%が致命的
  • 致死率が最も高かったのは80歳以上で14.8%
  • 9歳までの子どもに死者はいない。39歳までの致死率は0.2%と低い
  • 致死率は40代が0.4%、50代が1.3%、60代が3.6%、70代が8%と、年齢層が上がるにつれ徐々に上昇
  • 男女別では、男性(致死率2.8%)が女性(同1.7%)よりも死亡する確率が高い
  • 既往症別の危険度では、心臓病が1位で、糖尿病、慢性呼吸疾患、高血圧が続く

医療従事者については、2月11日までに3019人が感染。うち1716人について症状が確認され、5人が死亡した。

中国は2月13日、感染者の数え方を変更。それまでは「確認済み」の感染者とは別に数えていた、臨床診断の感染者も含めるようになった。

ピークは1月下旬

調査によると、「症状発現の流行曲線」は1月23~26日にピークを迎え、2月11日に向けて下降していた。

都市の完全閉鎖や、メディアで手洗いやマスク着用の励行が呼びかけられたことが、効果を生んだ可能性があると分析している。

ただ、春節の長期休暇から多くの人が日常生活に戻るため、中国は「流行が再発する可能性に備える必要がある」としている。

韓国もクルーズ船からの退避検討

乗客乗員約3700人が乗っていた、横浜に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」をめぐっては、18日に新たに韓国が、自国民を退避させることを検討しているとした。

The Diamond Princess cruise ship - quarantined in Japan due to coronavirus, 16 February 2020

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約3700人が隔離されていたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」

すでに、カナダ、オーストラリア、イスラエル、香港が検討を進めている。