米ボーイスカウト連盟が破産申請 性虐待の訴訟続出で

A Boy Scout works on a canoe at camp Maple Dell on July 31, 2015 outside Payson, Utah Image copyright Getty Images
Image caption ボーイスカウトアメリカ連盟のメンバーは200万人を超える

米団体「ボーイスカウトアメリカ連盟」(BSA)に対して性的虐待の損害賠償を求める訴訟が相次ぎ、BSAは18日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の」適用を申請した。

多数起こされている訴訟では、性的虐待の被害を訴える人々が、BSAは何百もの事案に対して十分な防止策を取らなかったと主張している。

デラウェア州の裁判所に今回出された申請によって、すべての民事訴訟が中断される。破産が認められれば、すべての訴訟を1カ所の裁判所に集約して和解交渉を進めることができる。

申請書類によると債務は10億ドル(約1100億円)にも上り、資産は100億ドルだと報じられている。BSAは、被害者を補償するための信託基金を設立していると述べた。

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Image caption ボーイスカウトアメリカ連盟は110年前に設立された

BSAのロジャー・モスビー総長は声明で、虐待の訴えに対して全面的な謝罪を表明。「罪のない子どもたちを傷つけるために私たちのプログラムを利用した人々がいたことに、強い憤りを感じている」とした。

また、「連邦破産法11条の適用と基金により、BSAは重要な役割を維持しながら、すべての被害者に公平な補償ができる」と訴えた。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、BSAは全米に261の地方連盟をもち、それら地方連盟が各地で土地などの資産を保有している。BSAの資産の約7割は地方連盟の保有で、今回の破産申請は地方連盟を守るための動きだという。

BSAの声明によると、地方連盟はBSAとは法的に区別され、財務上も独立した組織。地方連盟は破産申請をしていないという。

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Image caption ティラーソン元国務長官もBSA総長をつとめた

1910年設立のBSAは、7~21歳のメンバー約220万人を抱える。若者を対象とした非営利組織としては、全米最大規模を誇る。

過去の総長には、レックス・ティラーソン元国務長官やロバート・ゲーツ元国防長官がいる。近年は性的虐待の訴えのほか、メンバーの減少にも悩んでいる。

すべての州で被害の声

カトリック教会や米体操連盟など、性的虐待の訴えを受けたほかの非営利団体も近年、破産申請による保護を求めるようになっている。

BSAに対しては、いくつかの州において、合計何百件もの性的虐待の訴えが起こされている。

被害者グループ(Abused in Scouting)は昨年、全米で広報活動を開始。米紙ニューヨーク・タイムズによると、すべての州から合わせて約2000人が被害の声を上げたという。

(英語記事 Abuse claims see US Boy Scouts seek bankruptcy

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