米とタリバンが撤退で合意 アフガン大統領「捕虜交換の約束ない」

アフガニスタンの駐留米軍は現在約1万2000人

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アフガニスタンの駐留米軍は現在約1万2000人

アメリカとアフガニスタンの反政府武装勢力タリバンは2月29日、合意文書に署名した。米軍の撤退とともにタリバンとアフガニスタン政府の捕虜交換が盛り込まれたが、同国のアシュラフ・ガニ大統領はタリバン捕虜を解放する約束はしていないと述べた。

ドナルド・トランプ大統領は、「我々の国民を帰国させる時だ」とホワイトハウスで表明。5月までに米兵5000人を撤退させるとした。

米軍と北大西洋条約機構(NATO)の同盟国は、14カ月以内に完全撤退する。ただし、合意の履行を条件としている。

トランプ氏は、近くタリバン指導者と会談すると表明した。アフガニスタン政府とタリバンの協議も今月10日に開始される。

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「捕虜交換の約束はない」

カタールで開かれた合意書の署名式には、アメリカのアフガニスタン和平担当特別代表ザルメイ・ハリルザド氏と、タリバンの政治部門トップが臨んだ。マイク・ポンペオ米国務長官も立ち会った。

合意では、タリバンは支配下にある地域でアルカイダなどの過激派組織の活動を認めないことに同意した。

また10日までにタリバンの捕虜約5000人とアフガニスタン治安部隊の捕虜約1000人を交換することも盛り込まれた。タリバン捕虜は1万人ほどいるとみられている。

しかし、アフガニスタンのガニ大統領は、和平合意が署名されてから1日もたたないうちに、「捕虜5000人を解放すると約束はしていない」と述べた。

ガニ氏はカブールで記者団に、「これはアフガニスタン国民の権利であり意思だ。アフガン内での協議の議題にはなり得るが、協議の前提条件ではない」と話した。

19年続く戦火

米軍は2001年の米同時多発攻撃の直後にアフガニスタンに侵攻。タリバンは政権を失ったが、勢力を回復し、2018年には同国の3分の2で活動している。

同国には現在、米軍1万2000人が駐留している。米軍はアフガニスタン侵攻以来、2400人以上の兵士が戦死している。

米側は昨年9月、タリバンとの「原則的な」合意に基づき、20週以内に米軍5400人を撤退させると発表した。

しかし間もなく、タリバンによる米兵殺害を受け、トランプ氏は協議は「死んだ」と表明。ただ、両者の話し合いは舞台裏で続けられていた。

タリバンは1週間ほど前に、「暴力の削減」に合意すると表明。ただアフガニスタン当局は、合意に至るまでの間にも、タリバンの攻撃で兵士22人と民間人14人が死亡したとした。

アフガニスタンに駐留する国際治安支援部隊の死者は、2001年の侵攻以来、3500人近くに上っている。

一方、アフガニスタンの民間人や兵士などの死者は計測が難しい。国連の2019年2月の報告書では、民間人3万2000人以上が死亡したとされる。米ブラウン大学ワトソン研究所は、治安関係者5万8000人と、タリバン側4万2000人が死亡したとしている。