東京五輪、アメリカ陸連も延期を要望 新型ウイルス理由に

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東京五輪の延期を求める声が続々と上がっている

アメリカの陸上競技連盟は21日、今夏開催予定の東京五輪の延期を要望したことを明らかにした。新型コロナウイルスの流行が理由としている。

米陸連は米オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)に対し、東京五輪の延期を求めて国際オリンピック委員会(IOC)に働きかけることを求めている。

米陸連に先立ち、米水泳連盟も20日、東京五輪の1年延期を要請した。

東京五輪は7月24日から8月9日までの日程で予定されている。

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「選手の利益にならない」

米陸連のマックス・シーゲル最高経営責任者はUSOPCに20日付の書簡を送付。「この要望がどれだけの影響を及ぼすものか、そして五輪の延期によって他の選手やスポーツ連盟、主要出資者の予定調整がどれだけ大変かという現実は、十分理解している」と前置きした上で、こう続けた。

「しかし現在の国際情勢を考えると、このまま前進することは、私たちの選手のためにならない(どれだけそれが難しい決定でも)」

東京五輪の今夏開催については、ほかにも複数の反対意見が出ている。

英陸上競技連盟のニック・カワード会長は20日、延期すべきだとの考えを表明した。ブラジル、ノルウェー、スロヴェニア各国のオリンピック委員会もIOCに対し、行動を起こし来年に延期するよう強く求めている。

「練習場所がない」

元米男子陸上短距離選手で、BBCスポーツのコメンテーターのマイケル・ジョンソン氏は、選手たちが東京五輪に向けた練習をしようとして「生命を危険にさらす」かもしれないと指摘。IOCの意思決定プロセスの透明性を高めるよう求めた。

オリンピックで4つの金メダルを獲得したジョンソン氏は、「IOCは2020年五輪の決定についてはっきりと伝えるべきだ」とツイート。「選手は練習を続けなくてはならないが、練習場所がない選手が大勢いる」、「練習を続けようとして、自分や他人の生命を危険にさらすかもしれない。早急な中止だけが答えではない。意思決定のプロセスを選手たちに明確に示すことだ」と主張した。

IOCのトーマス・バッハ会長は19日付の米紙ニューヨーク・タイムズで、東京五輪について「異なるシナリオ」を検討していると述べ、初めて予定変更の可能性に言及した。