OECD、世界経済への打撃は「何年も続く」 新型ウイルス流行

Organization for Economic Cooperation and Development (OECD) Secretary-General Angel Gurria. Image copyright Getty Images
Image caption OECDのアンヘル・グリア事務総長

経済協力開発機構(OECD)は23日、新型コロナウイルスの世界的流行による打撃から世界経済が回復するには、数年はかかる見込みだと警告した。

OECDのアンヘル・グリア事務総長は、経済ショックはすでに2008年の経済危機よりも大きなものになっていると指摘。BBCの取材に対し、各国がすぐに回復基調に戻るというのは「希望的観測にすぎない」と語った。

OECDは各国政府に対し、迅速なウイルス検査と治療を確実にするために、財政的な制約を取り払うよう求めている。

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グリア事務総長は、新型ウイルスの流行によって世界経済の成長率が1.5%に半減するという見方は、すでに楽観的すぎるものになっていると述べた。

これによる失業者数や倒産数はなお明らかになっていないものの、各国政府は「何年も続く」経済の低迷に立ち向かわなくてはならなくなるだろうと話した。

また、世界の経済大国の多くが向こう数カ月の間に、2四半期連続でマイナス成長となるリセッション(景気後退)に陥るだろうと予測した。

「もし世界全体がリセッションに陥らなくても、大国も含めた多くの国々が、経済成長がゼロかマイナスという事態に陥るだろう。つまり、今年の経済成長が低くなるだけではなく、そこからの回復にはより長い時間がかかることになる」

大きなショック

グリア事務総長はまた、新型ウイルスによる経済的な先行き不透明感は、世界が2001年9月11日の同時多発テロや2008年の金融危機の時よりも大きなショックに見舞われていることを示していると話した。

「失業問題の解決にどれくらいかかるかが分からないのは、最終的にどれくらいの人が失業するか分かっていないからだ。同じように、何十万もの中小企業を救うのにどれくらいかかるのかも分かっていない」

各国政府はこうした事態を受け、企業や労働者の支援のため、異例の対策を次々と発表している。イギリスでは、新型ウイルスの流行を受けた解雇を防ぐため、従業員の雇用を維持した企業に対し、その給与の最大8割を政府が支給すると発表した。

グリア氏は、各国政府に借り入れの制限などを撤廃し、この危機を乗り越えるために「できることはすべてする」よう呼びかけた。

その一方で、財政赤字の拡大や多額の借り入れは重債務国の負担になると警告した。

「V字回復」はありえない

グリア事務総長はわずか1週間前、主要20カ国会議(G20)の場で、各国は新型ウイルスによる経済の打撃から「V字回復」できるだろうと話していた。

しかしこの日には、「それはすでに希望的観測になった」とこれまでの考えを覆した。

「V字回復するという予測には賛成できない(中略)現時点では回復はV字にはならず、どんなに順調にいってもU字、つまり回復期に入る前に長い低迷期間があると考えられる。いま正しい決断をすれば、『L字』の事態は避けられるはずだ」

OECDは新型ウイルス対策、無料のウイルス検査、医療従事者に対する良い設備の提供、個人事業主を含む個人に対する助成金、企業に対する税免除の4項目を行うよう各国に呼びかけている。

(英語記事 Global economy will suffer for 'years to come'

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