トランプ氏、新型ウイルスは「イースターまでに除去」 NY州では感染急増

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アメリカのドナルド・トランプ大統領は24日、同国が4月12日のイースター(復活祭)までに新型コロナウイルスを取り除き、通常の状態に戻れると期待していると述べた。一方でニューヨーク州知事は、「新幹線」よりも速いスピードで感染が拡大していると述べ、異なる見解を示した。

ホワイトハウスでのブリーフィングで、トランプ大統領は、来月初めの経済活動再開は「すばらしい予定」になるだろうと述べた。

トランプ氏は、「我々は、しっかりした事実やデータにもとづいて決断を下すだろう」としつつ、「このトンネルの先に光が見え」始めていると述べた。

一方で、ブリーフィングに同席した米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ博士は、「ニューヨーク市のような場所で何が起きているかを見れば、措置を緩和したいと思う人は1人いないだろう」と、トランプ氏とは異なる発言をした。ファウチ博士は、アメリカの感染症の第一人者で、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策タスクフォースの一員。

トランプ氏の主張

トランプ氏は米フォックスニュースに対し、イースターまでに国が通常の状態に戻れると期待していると述べた。

「我々は、比較的すぐに(経済活動を)開始する。(中略)私は、イースターまでこの国を開放させたい」

トランプ氏はその後のインタビューで、「イースターは私にとってすごく特別な日だ。(中略)国中の教会が満員になるだろう」と述べた。

また、アメリカが経済活動を再開しない限り、「大規模な不況あるいは景気の落ち込み」に直面しかねないと警告。「人々を失うだろう。数千人もの自殺者が出るだろう。あらゆることが起こるだろう。不安定な状況に陥るだろう」と述べた。

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世界保健機関(WHO)が、アメリカがパンデミック(世界的流行)の震央になる可能性があると警告する中、トランプ大統領は楽観的な見解を述べた。

アメリカではこれまでに約5万5000人が感染し、800人近くが死亡している。

世界の感染者数は42万人以上に上り、死者は1万9000人に達している。

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1分で振り返る アメリカ初の新型ウイルス感染、確認後の60日間

ニューヨーク州で何が

ニューヨーク州では24日朝までの時点で、2万5000人以上が感染。これは、米国内の感染者の約半数にあたる。

ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策タスクフォースの調整官、デボラ・バークス医師は24日、ニューヨーク都市圏が、米国内の感染の60%を占めているとし、同地域を離れた場合には、2週間の自主隔離を行うよう助言した。

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事(民主党)は24日、別の記者会見に出席し、「感染予測は、『我々は貨物列車が国中を横断しているのを見ている』ようなものだとしていた。(中略)いまや、我々は新幹線を目の当たりしている」と述べた。

また、「ニューヨークは炭鉱のカナリアだ。まずニューヨークで始まり、ニューヨークで起きていることがカリフォルニア州やイリノイ州で始まる。時間の問題だ」とした。

クオモ氏は、米連邦緊急事態管理庁(FEMA)が緊急に追加の医療物資を輸送しない限り、ニューヨークの病院システムは間もなく限界点に達するだろうと述べた。

「人工呼吸器が400台しか輸送されておらず、2万6000人が死ぬことになる」

ニューヨークには現在、医療用人工呼吸器が7000台あるが、クオモ氏はあと3万台が必要だとしている。

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Image caption マスクをつけている男性(3月24日、ニューヨーク)

アメリカ国内の状況は

アメリカは、社会的距離を保って新型ウイルスの感染拡大のスピードを遅らせる、15日間におよぶ取り組みを進めており、折り返し地点を過ぎたところだ。

この取り組みは米疾病対策センター(CDC)によるもので、強制力はない。

トランプ氏は現在敷かれている制限を緩和したいとしている一方で、国内の州や地方の指導者たちは、感染を食い止めるために素早く管理を強化している。

ウィスコンシン州、デラウェア州、マサチューセッツ州、ニューメキシコ州、ウェストヴァージニア州、インディアナ州では24日、自宅待機命令が出され、封鎖措置を敷く州の数は17州に上った。

米議会議員は、新型ウイルスによる経済への影響を鈍らせるための2兆ドル(約220兆円)規模の景気刺激策の導入に向かって少しずつ進んでいる。

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Image caption ニューヨーク・タイムズスクエアで、観光客の写真撮影に応じる大道芸人もマスクをつけている

その他の動き

  • 24日にスーパーの従業員と口論になった際に、従業員に向かって咳をして新型ウイルスに感染していると主張したニュージャージー州の男が、テロの脅威を与えたとして訴追された。フィル・マーフィー州知事は、この容疑者は「あほ」だと述べた
  • ミズーリ州の26歳の男が、今月初め、ウォルマートの店舗の制汗剤をなめながら「新型コロナウイルスが怖いのは誰だ?」と言っている自分の動画を投稿。23日にテロの脅威を与えたとして逮捕された
  • ケンタッキー州知事によると、「コロナウイルス・パーティ」に参加した後に、新型ウイルス検査で陽性反応が出た人がいたという
  • ニュージャージー州の米入管管理当局で拘束されていた31歳のメキシコ国籍の人物が、新型ウイルス陽性と診断された。同州で陽性が確認されたのは初めて
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Image caption 通勤ラッシュの時間帯のニューヨークの地下鉄に人の姿はない

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(英語記事 Trump hopes US will shake off pandemic by Easter

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