ワクチン開発で世界が協力、8500億円拠出 マドンナさんも

画像提供, AFP
新型コロナウイルスに対するワクチンや治療薬開発に向けた国際会議が4日開かれ、参加者らが総額80億ドル(約8500億円)以上の拠出を約束した。
欧州委員会の呼びかけで行われた会議には30カ国以上が参加。国連や慈善団体、研究機関なども支援を発表した。
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、これらの資金が前例のない国際協力の端緒になると説明。一方で、資金はさらに必要になるだろうと警告した。
この会議は欧州委員会のほか、イギリス、カナダ、フランス、イタリア、日本、ノルウェー、サウジアラビアが共同で主催。一方、アメリカとロシアは参加しなかった。昨年12月に新型ウイルスが発生した中国は、EU大使が代表として出席した。
欧州連合(EU)によると、今回集まった資金のうち44億ドルがワクチン開発に、20億ドルが治療研究に、16億ドルが検査キットの製造に充てられるという。
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会議では、欧州委員会とノルウェーが共に10億ドルずつの拠出を約束。フランスとサウジアラビア、ドイツはそれぞれ5億ユーロ(約580億円)を、日本は850億円以上を支援する。また、米歌手マドンナさんも110万ドルの寄付を約束したという。
開会の演説でフォン・デア・ライエン委員長は、「真の国際的な挑戦」のために誰もが資金を拠出すべきだと呼びかけた。
「5月4日という日は世界中が協力した日として、新型ウイルスとの戦いの転換点になるだろう」
「協力者はたくさんいるが、目標はひとつ、このウイルスを倒すことだ」
ボリス・ジョンソン英首相も、専門知識を「共有すればするほど」、科学者はより早く「ワクチン開発に成功するだろう」と語った。
自身もCOVID-19に感染し、一時は集中治療を受けていたジョンソン首相はこの席で、イギリスが3億8800万ユーロ(約515億円)を拠出すると発表した。
共同声明で各国首脳は、今回の支援は「科学者と規制当局、産業と政府、国際機関、慈善団体、医療の専門家らによる前例のない国際協力の端緒になる」と説明。
「世界が世界全体のためにワクチンを開発できれば、21世紀を象徴するグローバルな公益となるだろう」と述べている。
この国際会議では、世界保健機関(WHO)の活動を支持する署名も行われた。WHOをめぐっては、アメリカが批判を強めている。
ワクチンの実用化は来年半ばか
国連は、これまでの生活を取り戻すにはワクチンが不可欠だとしている。現在、世界各地でワクチンの開発プロジェクトが進められている。
しかし多くの支援をもってなお、どの開発が成功し、効果を出すのかを見極めるには時間がかかる。
専門家の大半は、ワクチンの実用化は、新型ウイルスが初めて確認されてから12~18カ月後に当たる2021年半ばごろになるだろうとしている。
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