ピカソの1億円相当の絵画、慈善宝くじで当選 イタリア

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ピカソが1921年に描いた「静物画(Nature Morte)」を手にする宝くじ主催者ペリ・コーチン氏
イタリア人女性が20日、チャリティー目的の宝くじで当選し、100万ユーロ(約1億1800万円)相当のピカソの油絵を獲得した。当選したくじはプレゼントされたものだったという。
女性が当選したのは、ピカソが1921年に描いた「静物画(Nature Morte)」。「アブサン」という酒が入ったグラスと新聞紙が乗ったテーブルが描かれた、縦23センチ、横46センチの比較的小さな作品だ。
抽選会は20日、フランス・パリのクリスティーズ・オークションハウスで行われた。
抽選くじは1枚100ユーロ(約1万1800円)で、5万1000枚を販売した。このうち約29%はフランスで販売され、アメリカやスイスでも販売された。
収益は慈善団体「CARE」に寄付される。主催団体によると、収益のうち420万ユーロ(約4億9500万円)はマダガスカルやモロッコ、カメルーンの学校や村で清潔な水を供給するプロジェクトに使われるという。
抽選会はこれまでに2度延期された。1度目はより多くのチケットを販売するために、2度目は新型コロナウイルス対策の制限が敷かれたことが原因だった。
ピカソの油絵を提供したモロッコ出身の億万長者のコレクター、デイヴィッド・ナーマド氏は、90万ユーロ(約1億600万円)を獲得するという。主催団体によると、ナーマド氏は「CARE」に10万ユーロ(約1180万円)の寄付もしたという。
宝くじを主催したペリ・コーチン氏は、ロイター通信に対し、「ピカソは人道的、社会的大義に多くの関心を持っていた人物だったので、このような活動は大好きだったに違いない」と述べた。
「この新型コロナウイルス危機によって、手洗いがどれほど重要なものなのか、そして、清潔な水でしか手は洗えないことが明白になった」