イギリス経済、4月は20.4%の歴史的縮小 ロックダウンが影響

Shoppers queuing in the street

画像提供, PA Media

イギリスの国家統計局(ONS)は12日、4月の国内総生産(GDP)成長率が前月比20.4%のマイナスだったと発表した。同国では3月末から新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(都市封鎖)が敷かれており、4月はその影響を大きく受けた。

ONSは、「新型コロナウイルスと英経済への影響」と題した報告を発表。ほぼすべての産業や領域でマイナスとなったと説明した。

また、2~4月のGDP成長率も10.4%縮小した。

一方で、5月からロックダウンの規制が徐々に解除されていることから、最悪の事態は過ぎたと見るエコノミストもいる。

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イギリスの月ごとの国内総生産(GDP)成長率の推移

「英史上最大の落ち込み」

ONSのジョナサン・エイソウ氏は、「4月のGDPの落ち込みはイギリス史上最大となった。縮小幅は3月の3倍、COVID-19以前で最大の落ち込みと比べると10倍近かった」と説明した。

「4月のイギリス経済は2月と比べて25%縮小していたことになる」

「この歴史的落ち込みの最大要因はパブや教育、保健といった分野や、自動車販売台数などだが、すべての分野が落ち込んだ」

特に、自動車と建設が大きな打撃を受けたという。

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一方、BBCの番組「トゥデイ」の取材でエイソウ氏は、「4月が落ち込みの底になる可能性が非常に高い」との見解を示した。

「我々独自の調査や幅広い指標を見るに、経済活動は回復している。しかし向こう数カ月でどれだけ早く経済活動が回復するかを知るには時期尚早だ。

リシ・スーナク財務相は「世界各国の経済と同様、新型ウイルスはイギリス経済に深刻な影響を与えた」と話した。

「政府の雇用維持プログラムや補助金、融資、減税といった措置によって何千もの企業や数百万もの雇用が守られた。その結果、経済が活動の再開とともに早急に回復する可能性を最大限に引き出せている」

「我々は経済活動を徐々に、安全に再開させる計画を進めている。少しずつ日常を取り戻しつつある中、来週には繁華街の店舗も営業を始められるだろう。」

深い景気後退

世界的な金融危機となった2008年2月から2009年3月までの間に、イギリスのGDPは6.9%縮小した。

今年4月の統計では、この3倍もの落ち込み幅を記録したことになる。

イギリス経済は4月より前から縮小し始めていた。ロックダウン期間が1週間しか入っていない2020年第1四半期(1~3月)のGDPは前期比2%縮小している。

エコノミストらは、第2四半期にはさらなる落ち込みが予想されており、イギリスが深い景気後退(リセッション)に入るとの見通しを示している。

キャピタル・エコノミクスのアンドリュー・ウィシャート氏は、「5月からロックダウンが緩和された始めたことを考えると、4月がGDPの底だったたろう。つまり、最悪は脱したということだ」と話した。

「しかし、ロックダウンの制限は段階的に解除されており、企業も消費者も引き続き注意を払って過ごしているため、回復は長い目で見るべき問題だ」

「また停滞の底は過ぎたものの、破綻による財務コストや、失業率が8%以上まで上昇したことなど、影響はやっと明らかになってきたばかりだ」

イギリス取締役協会(IoD)でチーフ・エコノミストを務めるテジ・パリク氏は、新型ウイルスは「比較できないほどの」混乱を経済におよぼしており、「今後しばらくの間、イギリス経済に傷を残すだろう」と話した。

「企業への延命支援を行った今、政府はどうやって経済活動を刺激していくかを模索しなくてはならない」

「年後半まで取り組みを待つのは、より多くの企業をリスクにさらし、さらに雇用が失われることになる」