米アカデミー賞、作品賞に「多様性」の条件設置へ

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映画芸術科学アカデミーは会員の多様性拡大にも取り組んでおり、アジア系アメリカ人のオークワフィナさんも新会員に選ばれた

米アカデミー賞(オスカー)を主催する映画芸術科学アカデミーは8日、作品賞にノミネートされるための条件として多様性の項目を設置した。女性や人種マイノリティーなどを積極的に起用することなどが条件となる。

アカデミーは声明で、「映画観客の多様性を従来よりしっかり反映するため、画面上でも製作側でも」、多様性が公平に表現されることを促すのが狙いだと説明した。

新基準により、映画の製作現場に今まで以上に多様な人材が参加し、画面の上でもスタッフ側でもその存在や価値観が取り入れられ、表現されるよう期待しているという。

映画芸術科学アカデミーはこれを、「representation(レプリゼンテーション、多様性の表現・表出)」と「inclusion(インクルージョン、多様性の包摂)」の基準と呼んでいる。

2025年のアカデミー賞では、この基準の4項目中2項目を満たさなければ、作品賞候補になれないという。

アカデミー会員の多様化

米アカデミー賞は近年、多様性が欠けていると批判を受けてきた。

2016年には、俳優部門で有色人種が1人もノミネートされなかったことで強く非難され、授賞式のボイコットや、「#OscarsSoWhite(アカデミー賞はあまりに白い)」といったハッシュタグの拡散につながった。このため翌年には、女性や少数派を中心に約700人を新しく会員にするなど、投票権をもつ会員の多様化を図ってきた。

今年新しく会員となった819人では、45%が女性、36%が非白人だった。

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シンシア・エリヴォさん(左)とエヴァ・ロンゴリアさんも今年、映画芸術科学アカデミーの会員になった

出演者と製作陣に多様性を要求

新しい条件は、2025年の第96回アカデミー賞以降の対象作品に適用される。2021年から2024年の間の作品も、アカデミー・インクルージョン基準要項の提出が必要になるという。

映画芸術科学アカデミーは今回、女性、人種・民族的マイノリティー、性的マイノリティー、障害者などを「under-represented groups(少数派グループ)」と規定。

次の4項目のうち少なくとも2項目で、少数派の人材起用や、少数派を反映することを、作品賞のノミネート要件とした。

  • スクリーン上の表現とストーリー展開。特に、「主演、あるいは主要な助演の俳優に人種・民族的マイノリティーを起用すること」が定められた
  • 製作陣のリーダー、部門ごとのリーダースタッフの構成
  • 有給の見習い、インターンシップ、研修生
  • 広報からマーケティング、流通に至る、顧客と関わる部門

「映画を作る側と、その映画を見る観客の側の双方で、世界の多様な人口構成を反映するためには、窓口を広げなくてはならない」と、アカデミーは説明している。

「アカデミーは、多様性を現実のものにするため、重要な役割を担うことを決意した。私たちのインクルージョン基準が、映画界を継続的かつ本質的に大きく変えるきっかけになると信じている」

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