米フェイスブック、中国の偽アカウント150超を削除 政治利用と

Graphic of anonymous people at computers in front of giant screens

米フェイスブックは22日、中国とつながりのある150以上の偽アカウントを削除したと発表した。これらのアカウントは、政治的議論における「組織的な」干渉に使われていたという。

アカウントの投稿は主に中国の利益を支持する内容だったが、一部はアメリカ大統領選に関するものもあった。

中国が発信元の偽アカウントをフェイスブックが特定するのは、今回で2度目。

削除した中国の偽アカウント・ネットワークには約13万人のフォロワーがいた。ただ、アメリカに拠点を置く人はほとんどいなかった。

こうしたアカウントは2016年から出現し始めた。発信する情報のほとんどはフィリピンや東南アジアにおける中国の影響力に関するものだった。

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フェイスブックはアカウントの所有者について、中国・福建省を拠点とする複数の人物と関連があるとした。これらのアカウントの活動をめぐっては、フェイスブックに対して中国人民元で広告費が支払われていたという。

その内容は、領有権が争われている南シナ海での中国の権益を強調するなど、中国を支持するものが多い。だが、中国に批判的なものもあった。

画像提供, Graphika

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3月に米大統領選挙戦からの離脱を表明するまでの短期間、ピート・ブタジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長を支持するアカウントもあった

いくつかのアカウントは、11月の米大統領選への出馬を表明し、3月に選挙戦からの離脱を表明したピート・ブタジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長について投稿していた。

与党・共和党の候補となったドナルド・トランプ大統領や、野党・民主党候補のジョー・バイデン前副大統領を支持するアカウントもあった。

さらに最近では、フェイスブックからアカウント調査を依頼されたソーシャルメディア分析企業「グラフィカ」が、一部のアカウントについて、「敵対的生成ネットワーク」(GANs)として知られる人工知能(AI)技術を使用していたことを発見した。GANsを使って、プロフィール用の完全に偽物の顔写真を、現実に存在していそうな顔に作り上げていたという。

グラフィカの研究者ベン・ニンモ氏は、「1年前はこのやり方は珍しかった。今では我々が分析するあらゆる活動が、少なくとも1度はこのやり方を試しているようだ」とツイートした。

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AIを駆使した顔写真を使うアカウントがある一方で、それほど洗練されていないアカウントもあった

フェイスブックはまた、フィリピンが発信元の、同国の人々や地元ニュースに特化した偽アカウント・ネットワークも削除した。

このネットワークは中国のネットワークよりも小規模で、57のフェイスブック・アカウントと31のページ、20のインスタグラム・アカウントが含まれていた。

フィリピン語と英語で現地のニュースやイベント、対テロ軍事活動のほか、共産主義や青年活動家、野党への批判などが投稿されていた。

米大統領選への影響は

BBCの反偽情報ユニットのシャヤン・サルダリザデは、こうしたフェイスブックの動きについて、11月の米大統領選を妨害しようとする中国の企てに焦点を当てるものだと指摘する。

ただ、今回削除された偽アカウント・ネットワークの投稿内容を目にしたアメリカの有権者はごくわずかで、大統領選に広範な影響を与えてはいなかったと説明する。

また、大統領選に関する投稿はごく一部で、特定の候補者に反対するようなものはなく、トランプ氏を批判していたページにはフォロワーは全くいなかったとした。

そして投稿のほとんどは、とりわけ南シナ海における中国の戦略的・地政学的利益に直結したものだったと分析した。