ローマ教皇、ポンペオ米国務長官との会談を拒否 中国めぐり摩擦も

US Secretary of State Mike Pompeo is in Italy on a state visit

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イタリアを訪問中のマイク・ポンペオ米国務長官

キリスト教カトリック教会のローマ教皇庁(ヴァチカン)は9月30日、教皇フランシスコはイタリアを訪問中のマイク・ポンペオ米国務長官とは会見しないと発表した。

ヴァチカンは、教皇は選挙期間中の政治家の訪問を受けないと説明している。

ポンペオ国務長官は先に、中国とカトリック教会の関係を非難する発言をしており、ヴァチカンとアメリカの外交関係において緊張が高まっている。

ポンペオ長官は9月初めに出た記事で、ヴァチカンが中国国内での司教任命をめぐる合意を更新する意向を示したことについて、教会の「倫理的権威」を脅かすものだと批判した。

一方のヴァチカンは、ポンペオ長官が11月の大統領選で有権者を引き付けるために一連の問題を利用していると批判している。

ドナルド・トランプ米大統領は、保守的なカトリック信者を含むキリスト教保守派からの支持を得ている。こうした保守層からは、教皇がリベラルに寄りすぎているという声もあがっている。

中国とヴァチカンの関係は

現在、中国とヴァチカンは国交を断絶している。中国では、政府公認の教会組織は活動を認められている一方、ヴァチカンが認めたカトリック教会は非合法とされており、人権擁護団体はかねて、カトリック教徒が国内で弾圧されていると指摘している。

こうした中、中国とヴァチカンは2018年、政府公認の教会組織における司教任命にヴァチカンが介入できるという合意を結んだ。

フランシスコ教皇はこの時、この合意は「過去の古傷を乗り越えるため」のものと説明。中国でカトリック教会が一致する道筋になると話していた。

ヴァチカンは10月にもこの合意を更新する意向を示しているが、アメリカなどの一部のカトリック信者が反対している。

ポンペオ国務長官は30日、ヴァチカンは中国での信教の自由を擁護するべきだと指摘。「中国以上に、信教の自由が攻撃されている場所はない」と述べた。

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ヴァチカンは、教皇は選挙期間中の政治家の訪問は受けないと説明した

国務省長官を務めるピエトロ・パロリン枢機卿と外務局局長のポール・ギャラガー大司教はこの日、教皇はポンペオ国務長官と会談しないと発表した。

AFP通信の取材にパロリン枢機卿は、「教皇はすでに、選挙期間中の政治家の訪問は受けないと明確にしている。これが理由だ」と話した。

また、ポンペオ氏が展開している教皇への批判は驚くべきものだと指摘。ギャラガー大司教は、この問題に関するやり取りは本来「内密に」行われるべきだと述べた。

パロリン枢機卿はさらに、ポンペオ氏は11月の米大統領選でアメリカのキリスト教徒にトランプ氏を支持させるため、このような発言をしたと指摘した。

「ポンペオ氏の発言は国内の政治で利用するためのものだと解釈できる。その証拠はないが、そのように見ることはできる」

その上で、ヴァチカンと中国の間の合意は、アメリカには関係のないものだと述べた。