豪グレートバリアリーフ、サンゴが22年間で半減 気候変動の影響=研究

Dead or dying coral is 'bleached' of its colour
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グレートバリアリーフでは2016年と2017年に大規模な白化が起きて問題になったが、今年はさらに白化が進んでいる

オーストラリア東海岸にある世界最大のサンゴ礁「グレートバリアリーフ」で、サンゴが1995年と比べて半分消滅していることが、最新の研究で明らかになった。気候変動の影響とみられる。

研究チームによると、グレートバリアリーフに生息するすべてのサンゴが被害を受けているという。

グレートバリアリーフでは2016年と2017年に大規模な白化が起きて問題になったが、今年はさらに白化が進んでいる。

この研究は、豪クイーンズランド州のジェームズ・クック大学ARCサンゴ礁研究センターが主導し、学術誌「Proceedings of the Royal Society B」に掲載された。

研究では1995年から2017年にわたり、グレートバリアリーフのサンゴ礁の健康状態と規模を調査した。

研究によると、この期間にサンゴ礁の規模と種類が50%以下に減っていることが判明した。特に、テーブルサンゴと枝状のサンゴの減少が激しかった。

テーブルサンゴと枝状のサンゴは大きな構造を持っており、魚などの海洋生物のすみかになっている。

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サンゴが死滅すると、海洋生物のすみかがなくなってしまう

研究の共著者のテリー・ヒューズ教授は、このタイプのサンゴが大規模な白化によって「最も被害を受けている」と説明。全体の3分の2がダメージを受けていると話した。

サンゴの色は共生藻の褐虫藻(かっちゅうそう)によって付いている。白化は、サンゴが水温上昇などのストレスを受けた際に、この褐虫藻を放出することで起きる。

環境が元の状態に戻れば再び色を取り戻すが、それには何十年もかかるという。

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豪グレートバリアリーフのサンゴの「白化」 2年連続で大規模な被害

2019年の研究では、白化したサンゴ礁では成熟したサンゴのほとんどが死滅したため、再生が進んでいないという結果が出ている。

研究を主導したアンディー・ディツェル博士は、「元気なサンゴ礁には数百万もの小さなサンゴと、多くの大きなサンゴが共存している」と説明した。

「我々の調査の結果、グレートバリアリーフの回復能力は過去と比べても落ちてきている。小さなサンゴも、それを生み出す大きなサンゴも減っているからだ」

これからどうなる?

グレートバリアリーフ海洋公園局(GBRMPA)が5年ごとにまとめている報告書によると、人間がもたらしている地球温暖化による海水温の上昇が、依然としてサンゴ礁にとって最大の脅威となっているという。

全長約2300キロにわたるグレートバリアリーフは、1981年に世界自然遺産に登録された。しかし近年では、海水温の上昇によりサンゴが死滅。海洋生物のすみかがなくなり、有害な藻が増えるなど深刻な影響が出ている。

ヒューズ教授は、「かつては、グレートバリアリーフはその巨大さによって守られていると考えられていた。しかし今回の研究では、世界最大かつ保護活動が進んでいるサンゴ礁でさえ、力が衰え、減少していることが分かった」と述べた。

今年3月には、グレートバリアリーフが過去5年で3度目の大規模な白化に見舞われているという報告があった。この白化の被害状況はなお調査が進められている。

地球の平均気温は産業革命以前と比べてすでに1度上昇している。国連は、気温が1.5度上昇すれば世界のサンゴ礁の90%が死滅すると警告している。