日本経済、2020年は4.8%縮小 新型コロナウイルス影響

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日本政府は15日、2020年10~12月期の国内総生産(GDP)が前期比3%増加したと発表した。伸び率は前期の5.3%から縮小したものの、2期連続でプラス成長となった。しかし通年ではGDP成長率はマイナス4.8%となり、2009年以来11年ぶりにマイナスに転じた。
またこの日、日経平均株価が1990年以降で初めて3万円台を突破した。
国内消費と輸出がけん引
世界3位の日本経済は昨年4~6月期、新型コロナウイルスのパンデミックが国内消費や輸出に打撃を与え、戦後最悪となる落ち込みを記録した。
しかし一方で、2020年後半の日本経済をけん引したのも国内消費と輸出だった。
経済活動の50%以上を占める個人消費は、10~12月期に前期比2.2%拡大。7~9月期は同5.1%増だったので、ペースは緩んだ。
また、第3・第4四半期には世界経済も伸びたため、日本企業の海外輸出を助けた格好となった。
ワクチン接種事業で遅れ
10~12月期のGDP成長率は年率換算で前期から12.7%伸びており、日本経済が力強く迅速な回復を見せていることがうかがえる。
しかしこの成長はなおぜい弱で、新型ウイルスの新たな流行の波を防ぐための制限によって妨害されることもありえる。
信金中央金庫・地域中小企業研究所の角田匠上席主任研究員は、日本はワクチン接種事業で西側諸国に遅れを取っているため、経済回復に苦労するだろうとロイター通信に述べた。
「日本経済が今年第1四半期にマイナス成長となることは避けられないだろう」
「今年は新型ウイルスが流行しては抑制されるというサイクルが繰り返される可能性が非常に高いため、消費が期待通りに回復する可能性は低い」
日本政府は昨年12月、経済低迷から抜け出すため、73兆6000億円規模の新たな景気刺激策を発表している。