稀少な「ムーンフラワー」、イギリスで初の開花 ケンブリッジ大植物園

The moonflower Selenicereus wittii in bloom

画像提供, Cambridge University Botanic Garden

英ケンブリッジ大学の植物園で20日午後、稀少な南米の「ムーンフラワー」が花を咲かせた。「Selenicereus wittii」という種類のこのサボテンの花が咲くのは、イギリスでは初めてだという。

イギリスではこれまで11日間にわたって、数千人が植物園のウェブカムで開花を待ち続けた。

このサボテンの花は夜に咲くものと思われていたが、植物園の広報担当によるとこの花は「日光が大好き」の様子で、午後3時から開き始めた。

Selenicereus wittii」が属するセレニケレウス属のサボテンは夜咲くため、英語では「ムーンフラワー」や「Moonlight Cactus(月明かりのサボテン)」と呼ばれている。

同じく夜咲くゲッカビジン(Epiphyllum oxypetalum)とは別種のサボテンだ。

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19日午後2時半時点でのつぼみ

Selenicereus wittii」の花も通常、日没から日の出の間に咲くが、植物園のディレクターを務めるべヴァリー・グローヴァー教授は「花には花のタイミングというものがある」と話した。

「植物には植物なりのやり方があるので、(予想外の時間に開花したことも)特に驚いていない」

「これは特別なことだ(中略)本当に嬉しいことで、温室監督のアレックス・サマーズの苦労の証明でもある」

このサボテンの花は12時間しか咲かないため、開花時間に注目が集まった。「Selenicereus wittii」には白い花が咲き、長さは28センチ、横幅は15センチになった。

また、開花時間が早まったため、夜遅くに予定されていたスタッフによるフェイスブックでの質疑応答も、急きょ午後6時からに前倒しされた。

植物園のスタッフは、このサボテンが今後、毎年咲くようになればと期待している。

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「Selenicereus wittii」は予想に反し、夕方頃から咲き始めた

ケンブリッジ大植物園は6年前にこのサボテンをドイツのボン植物園から購入した。

Selenicereus wittii」は他の樹木にツタのように絡まって成長する。ケンブリッジ大植物園が手に入れた株はシログワイの木に沿って3.5メートルの高さまで成長し、最初のつぼみをつけた。

サマーズ氏は、「我々のコレクションにこのサボテンが加わるのは貴重なことで、花が咲くのもイギリスでは初めてのことだと思う」と話した。

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開花した「Selenicereus wittii」

植物園の広報担当者によると、植物園が設置したウェブカムには「世界中からのアクセスがあり」、これまでに12万回視聴されている。

また、YouTubeでのライブストリーミングも述べ10万人以上が訪問。「Selenicereus wittii」専用のウェブサイトは先週だけで10万件以上のページビューを記録した。

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この種類のサボテンは、ほかの樹木を登るように成長する

ゲッカビジンや他の「ムーンフラワー」とは別種

同植物園のスタッフによると、このサボテンの話題が世界中に広まると、その「希少性」について疑問を持つ人や、他の「ムーンフラワー」の開花の写真を送ってくる人が続出した。

広報担当者は、「多くの人が『ムーンフラワー』という名前に惑わされていた。この名前は他の多くの植物にもつけられている」と指摘した。

その結果、サマーズ氏は植物園のウェブサイトに「私のムーンフラワーとあなたのムーンフラワーは同じ?」というコラムを書くことになった。

「大半の人が持っているのは、一般に流通しているゲッカビジンの可能性が高い」、「ゲッカビジンは、この植物園で育てているムーンフラワーとは属が違う」と説明した。