京都の桜、過去1200年で最も早く満開に=研究

画像提供, BEHROUZ MEHRI
桜は日本で文化的にも経済的にも重要な花とされる(東京、2018年撮影)
京都の桜が、記録の残っている過去1200年で最も早く満開を迎えた。大阪府立大学の生態気象学研究グループの調査が指摘している。
京都では今年、3月26日に桜が満開となった。
一方、京都では宮廷の資料や日記などに花見の記述があり、最も古い記録は812年までさかのぼる。
その中で最も早かった満開日は3月27日で、1236年と1409年、1612年の3回が記録されている。
京都は今年、非常に温暖な春を迎えた。近年、桜の開花時期が早まっているのは、気候変動の影響である可能性が高いと科学者らは指摘している。
桜の開花時期のデータは古くから記録があるため、非常に価値が高いとされている。
2009年に学術誌「Biological Conservation」に掲載された論文では、「京都では桜の花見を行った時期を9世紀までさかのぼることができ、過去の気候を推定するととともに、温暖化や都市化による気温上昇を示すことができる」と説明されている。

812年から2021年までの京都の桜の満開日の推移(出典:大阪府立大学)

大阪府立大学でこのデータを調査している青野靖之准教授はウェブサイトで、「(京都で書かれた)日記類、年代記類の中には、花見をしたとか、花(サクラ)が満開になったとかが書かれている場合が結構あります。日記などは毎日の記録なので、そうした記事の書かれていた日付を集積していけば、『サクラの満開日』としての植物季節データとなるのではないか」と述べている。
データでは1800年以降、京都では桜の満開の時期が4月半ばから4月初旬へと移ってきていることがうかがえる。
日本では気象庁が各地の開花や満開の情報を提供するなど、桜の様子が詳細に調査されている。
今年は広島で3月11日にソメイヨシノの開花が観測された。これまで2004年3月19日が観測史上もっとも早かったが、その記録を8日更新した。