IOC、緊急事態宣言下でも東京五輪は開催

Tokyo Olympics

画像提供, Getty Images

画像説明,

東京では4月末から緊急事態宣言が出ている

国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長は21日、たとえ東京で新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が発令されていても、7月23日に始まる予定の東京オリンピックは実施すると発言した。日本では現在、東京をふくめ9都道府県で緊急事態宣言が出ており、23日からは沖縄にも適用される。

コーツ氏は、大会組織委員会とのオンライン会合後に記者会見し、「緊急事態宣言下でも、5競技のテストイベントが実施され成功してきた」と述べ、「選手や日本の人たちの安全を守るために整えてある計画はどれも、最悪の事態を想定したものなので、(緊急事態宣言の中で五輪が開けるかという質問への)答えは『絶対にできる』だ」と話した。

「世界保健機関(WHO)からの助言や、すべての科学的助言は、私たちがプレイブックで明示した措置の全てが、健康面で安全な大会の確保に十分だと示している。それは緊急事態宣言中かどうかに、かかわらずだ」

東京など9都府県で現在発令中の緊急事態宣言は5月31日が期限だが、沖縄県への宣言は今月23日から6月20日まで。日本政府は、9都府県の緊急事態を延長するかどうかは今月末に判断するとしている。

日本国内では最近の各種世論調査で、回答者の8割以上が東京五輪を「中止」もしくは「延期」するのが良いと答える、あるいは6割近くが「中止」と答えるなどの結果が出ている。

日本政府はかねて東京オリンピック・パラリンピックについて、「国民の命や健康を守り、安全安心の大会を実現する」と強調し続けている。

<関連記事>

日本国内で大会開催を支持する声が少ないことについて聞かれたコーツ氏は、「日本でワクチン接種を受けた人の割合が低いことと、一部の(世論調査の)割合との間に相関性があるかもしれない」と答え、「ワクチン接種数が増えれば世論調査結果も世論も改善すると期待している。しかし、たとえそうならなくても、我々は自分たちの仕事をしっかりやるしかない。自分たちの仕事とは、大会が全ての参加者と日本の全ての人にとって確実に安全なものになるようにすることだ」と話した。

イギリス・オリンピック委員会は、代表選手とスタッフは全員、東京へ向かう前に完全にワクチン接種を済ませることになると発表した。

同委員会は、「イギリス政府はIOCやファイザー/ビオンテックとの合意を通じて、オリンピックとパラリンピックのイギリス代表選手たちとスタッフは、2020年東京オリンピック・パラリンピックの前にワクチン接種を完全に終えることになると確認した。これは、選手・関係者がそれぞれ仕事のため日本に渡航しなくてはならないという、特異な立場にあるためだ」と説明。「この合意にもとづき、選手・スタッフが受けるワクチンはファイザー社から直接入手するものとなり、イギリス市民のために用意された現在の供給量には影響しない」という。

昨年12月に医療従事者や高齢者を優先して始まったイギリスのワクチン接種事業は、今では34歳以上が対象となっている。

<解説> ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ東京特派員

コーツ氏の発言から、IOCの側から東京五輪を中止することはないというのが、かなりはっきりした。

新型コロナウイルスの感染者が急増した東京は現在、緊急事態宣言下にある。日本政府は高齢者へのワクチン接種を始めたが、今のところ1回目の注射を受けた高齢者は約5%にとどまっている。

日本の高齢者は3600万人だ。7月23日の大会開始までにその全員の接種を済ませるには、残された時間は少ない。