豪シドニー全域、ロックダウン デルタ株の感染者が急増

Health workers are seen at Bondi Beach Drive-through Covid-19 Clinic on June 26, 2021 in Sydney, Australia

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人気スポットのボンダイビーチでは、ドライブイン検査施設に車が並んだ(26日、シドニー)

オーストラリア最大の都市シドニーとその周辺地域は26日夜、感染者急増を受けて2週間のロックダウンに入ることになった。ニューサウスウェールズ州は27日、新型コロナウイルスのデルタ株の感染者が計110人に達したと発表した。

州政府は27日、デルタ株の感染者が新たに30人確認されたと明らかにした。

ニューサウスウェールズ州のグラディス・ベレジクリアン州首相は同日、「この変異株はきわめて感染力が高いので、今後数日のうちに今日以上に感染者が増えると予想している。残念ながら、隔離されている人からすでに同居者全員にうつったと思われるので」と述べた。

ヴァージン・オーストラリアは27日、メルボルンで乗務員1人の陽性が確認されたため、最近の国内便5便の乗客と乗務員に連絡をとっていると明らかにした。

シドニーの一部ではすでに1週間のロックダウンが実施されていたが、26日午後6時からシドニー全域で7月9日までの2週間、生活必需品の購入など一部の例外を除き、外出が禁止される。大シドニー圏の人口は約500万人。

シドニーではこのところ、新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染者が80人以上、発見されていた。デルタ株は従来株よりきわめて感染力が高いと懸念されている。シドニーのロックダウンは昨年12月以来。

ベレジクリアン州首相は26日、「デルタ株のように感染力の高いウイルスの場合、3日限定のロックダウンは効かない。やるならきちんとやらなくては」と述べ、「今後数日のうちに、もしかすると感染者がかなり増えるかもしれない。心しておく必要がある」と呼びかけていた。

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デルタ株の症状を解説 新型コロナウイルス

ロックダウン徹底のため、市民が認められた行動圏の外に出ないか、警察は車両のナンバープレート認識技術を活用して監視する方針を示している。

ニュージーランド政府は26日、オーストラリアでの感染者急増を受けて、両国間で入国時の隔離を不要にしていた自由渡航を3日間中断すると発表した。

両政府は今年4月に1年ぶりに自由渡航を再開した。その後、オーストラリアの一部地域を対象に短期間のみ中断することがあったが、オーストラリア全域が対象になるのは今回が初めて。

シドニーでの感染者増加は先週、人気スポットのボンダイビーチで最初に確認され、市の中心部や西側へと広がっていった。

入国者を空港からタクシーに乗せた運転手を経由して、デルタ株の感染が拡大したとされている。

ニューサウスウェールズ州のブラッド・ハザード州保健相は、デルタ株を「非常に手ごわい敵」と呼び、「現時点のあらゆる防御策について、デルタ株は反撃方法を理解しているようだ」と述べた。

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シドニーのセントラル駅はロックダウン開始前からほぼ無人状態だった

オーストラリアのスコット・モリソン首相はビデオメッセージで、市民の忍耐に感謝し、「シドニーの皆さん、一緒になって乗り越えましょう」と呼びかけた。

「このパンデミックは残念ながら、今なお世界中で猛威を振るっていて、ここオーストラリアでも時折影響が出ます」と首相は述べた。

今回の感染者急増によって、連邦政府が展開するワクチン接種事業が遅いと批判が再燃している。

オーストラリアで接種を完了した人は成人人口の約3%で、1回目の接種を受けた人は約25%。人口の大半が接種を終えれば、ロックダウンは二度と必要ないはずだと政府を批判する声が出ている。