ペットの犬や猫のコロナ陽性率、飼い主が感染者なら約2割=オランダ研究

ジム・リード、保健担当記者

Stock photo of a cat at a veterinarian's surgery

画像提供, Getty Images

画像説明,

猫や犬は新型ウイルスに感染しても無症状か軽症の場合が多いという

新型コロナウイルスの感染症にかかっている人が猫や犬を飼っている場合、それらのペットも罹患(りかん)していることが珍しくないとする研究結果が発表された。

研究では、新型ウイルス感染者がいる196世帯のペット310匹から綿棒で検体を採取した。

それをPCR検査にかけたところ、猫6匹、犬7匹が陽性と判定された。他の54匹も、ウイルスの抗体検査の結果が陽性だった。

「もしあなたが(新型ウイルス感染症の)COVID-19にかかっているなら、他人との接触を避けるのと同様、猫や犬との接触も避けるべきだ」と、オランダ・ユトレヒト大学のエルス・ブルンス博士は話した。

「心配すべきは動物の健康ではなく、ペットが新型ウイルスの保有宿主となって人間に再感染させるリスクだ」

研究者らは、ペットから飼い主への感染を示す証拠はまだ確認されていないとした。ただ、人間の間で簡単に感染が拡大している状況では、ペットから飼い主への感染を確認するのは困難だとした。

感染したペットのほとんどは無症状か、軽い症状を示すだけだという。

画像提供, University of Utrecht

画像説明,

ユトレヒト大学の研究で出動した移動動物病院の車両

今回のユトレヒト大学の研究では、オランダ国内で過去200日以内に新型ウイルス検査で陽性と判定された人がいる家庭に、移動動物病院の車両を派遣した。

ペットの猫と犬から綿棒で検体を採り、現在感染しているか調べた。また、血液も検査して抗体の有無を調べ、過去に感染したかも探った。

欧州微生物・感染症学会では、次の結果が発表された。

  • 4.2%で同じ時期に感染している証拠が見つかった
  • 17.4%で抗体検査の結果が陽性だった

追跡調査では、PCR検査で陽性と判定されたすべての動物が、感染から抜け出し、体内に抗体ができていた。

研究者らは、感染経路で最も可能性が高いのは「人間から動物」であり、その逆ではないとしている。

「飼い主がペットから新型ウイルスに感染するリスクは0%とは言えない」と、ブルンス博士は話した。

「現在、パンデミックによって人から人への感染が起きているため、感知できない」

ロシアでは獣医師らが、動物へのワクチン接種を始めている。

だがブルンス博士は、「現時点ではその(効果を示す)科学的証拠は見当たらない」と述べた。

「パンデミックにペットが絡んでいる可能性は大きくはなさそうだ」

一緒のベッドで寝る猫は

一方、カナダ・オンタリオ州のゲルフ大学による別の研究では、飼い主と一緒に寝る猫について、感染リスクが特に高いとの結果が出た。

この研究では、77世帯の猫48匹、犬54匹に対し、新型ウイルスの抗体検査を実施。同時に飼い主から、ペットとの過ごし方について聞いた。

その結果、猫の約67%と犬の43%が陽性と判定された。動物シェルターの犬と猫の陽性率は9%、野良猫の陽性率が3%だったのと比べ、高率だった。

また、ペットの4分の1が、食欲減退や呼吸困難などのCOVID-19の症状を示した。

発症した動物の大多数は軽症だったが、3匹が重症化した。

研究者らは猫について、その生態から、新型ウイルスに弱い可能性があるとした。

さらに、猫は犬に比べて飼い主の顔の近くで寝ることが多く、それが感染リスクを高めていると分析した。

相当な割合のペットが

英ケンブリッジ大学獣医学部長のジェイムズ・ウッド教授は、上述の2つの研究と他の証拠から、相当な割合の猫と犬が飼い主から新型ウイルスに感染している可能性がうかがえると述べた。

「オランダの研究は熱を入れて実施され、感染者に飼われているペットの約20%が感染している可能性があることを示した。そして、人間と同様に、感染はやがて解消されることも明らかにした」

「多くの報告が、この感染は症状が見られないようだとしている」

「また、新型ウイルスは通常、犬や猫から他の動物や飼い主にはうつらないと思われる」