【東京五輪】 バッハ会長、「中止は選択肢になかった」 開催の決意語る

Thomas Bach speaking at a news conference

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国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長

国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は20日、2020年に開催予定だった東京オリンピックの延期によって「眠れない夜」が続いたが、未来に「希望を与えるため」に開催するべきだと述べた。

この日、東京都内で第138次のIOC総会が開かれた。冒頭でバッハ会長は、新型コロナウイルスのパンデミックの中での開催という困難の中でも、中止が「選択肢に入ったことはない」と話した。

1年間延期された東京大会は、23日に開会式が行われる。

バッハ会長は、「IOCがスポーツ選手を見捨てることは絶対にない」と述べ、こう続けた。

「中止は我々にとって簡単な選択肢だったかもしれない。当時入っていた保険を受け取って2024年のパリ大会に移行することもできた」

「しかし実際問題として、中止が選択肢に入ったことはなかった」

「きょうここに至るためには自信をつけなくてはならなかった。この危機からの脱出の道を示さなくてはならなかった。安定をもたらし、信頼を築く必要があった。希望を与える必要があった」

大会途中での中止を排除せず

一方、東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長は、新型ウイルスの流行が拡大した場合の大会中止の可能性を排除しなかった。

武藤事務総長は、感染者数には注意しつつ、「具体的には、そういう状況が出てきた時に考える」と話した。

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「誰もやったことがない」

東京大会は昨年3月に、新型ウイルスのパンデミックを受けて延期が決まった。近代五輪124年の歴史の中で初めての出来事だ。

バッハ会長は、この前例のない決定によって、東京大会の開催自体に深刻な疑念が生まれたことは確かだと述べた。

「どれほど複雑なことになるか分かっていなかったことは認める」と話した。

「青写真はなかった。誰もやったことがなかったからだ」

「この15カ月間、我々は毎日、非常に不確かな状況の中で決定を行ってきた。毎日が疑念だらけだった。熟考し、協議した。眠れない夜が続いた。世界中の人々と同じように、我々も、私自身も、未来がどうなるか分からなかった」

「しかし、オリンピックの主導者であるIOCが、大会にまつわる疑念にさらに疑念を重ねてしまったらどうなるだろう。それは火に油を注ぐようなものだ」

「私たちが疑いを持てば、それが現実化するかもしれなかった。五輪大会は粉々になってしまうかもしれなかった。だからその疑念を自分たちの中に抑え込まなければならなかった」

「選手達のために、一丸となった」

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関係者の無断外出に警告

こうした中で組織委は、外国人選手や大会関係者、ジャーナリストなどが午後8時以降も営業している店舗や酒類を提供している店舗で食事をしていると述べ、新型ウイルスの感染拡大を警告している。

日本政府は五輪期間中、東京都に緊急事態宣言を発令しており、酒類提供や午後8時以降の営業自粛が求められている。数万人もの大会参加者が押し寄せることで、感染率にどのような影響があるのか、懸念が広がっている。

プレーブックによると、関係者は入国14日以内は外出が禁止されている。しかし日本のメディアは、大会参加者が東京の下町エリアでアルコール飲料を飲んでいたり、隔離を守っていなかったりしていると報じている。

組織委は感染対策担当者に対し、入国から14日を過ぎても、緊急事態宣言の要請に従わない店舗を訪れることで、選手らや所属組織、東京大会そのものの評判を下げることになると警告する文書を送った。