ファイザー製ワクチン、間隔を4週以上空けると抗体増える=英研究

NHS worker preparing to inject a Covid vaccine

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新型コロナウイルスに対する米ファイザー/独ビオンテック製のワクチンは1回目と2回目の接種の間隔を4週以上空けた方が抗体が増えると、英研究者たちが発表した。1回目と2回目の間を8週間空けることが、デルタ変異株に対して最適かもしれないという。

医療従事者を対象にしたオックスフォード大学などによる調査は政府予算によるもので、まだ査読を受けていない。

ファイザー/ビオンテックはワクチンについて、3週か4週の間隔をあけて2回接種するよう推奨している。

しかし英政府は2020年末に、接種間隔は最大12週間と方針を示した。これは英政府が当初、なるべく多くの国民に少なくとも1回目の接種を急ぎ行き渡らせようとしていたため。イギリスは当時、感染の第2波に襲われており、限られたワクチン供給量での感染抑制を優先していた。

7月になると、インドで最初に特定されたデルタ株の感染が国内で急拡大している事態を受け、英政府は40歳未満に対するワクチン接種の1回目と2回目の間隔を、12週間から8週間に短縮するとした。

新型コロナウイルス感染症COVID-19に対する医療従事者の免疫状態を調べる政府調査(PITCH調査)をオックスフォード大で主導するスサンナ・ドゥアンシー教授らが、今回発表した調査結果は、国民保健サービス(NHS)のスタッフ503人を対象にしたもの。

503人は昨年後半から今年初めにかけて、英南東部ケント州で特定されたアルファ変異株がイギリスで拡大している最中に、2回のワクチン接種を受けた人たち。2回目の接種から1カ月後に、血中の抗体量を調べた。

その結果、次のことがうかがえるという――。

  • ファイザーワクチンの1回目接種と2回目接種の間隔は長くても短くても、全般的に強力な免疫反応につながった
  • ただし、ウイルスによる細胞感染を抑制する中和抗体(特定のタンパク質の活性を中和する抗体、ウイルスのタンパク質に結合して感染を防ぐ)の産生は、間隔が3週間の場合、間隔が10週間の場合より少なかった
  • 1回目の接種後に抗体量が一時的に減るものの、免疫にかかわる「T細胞」の量は高い状態で維持されていた
  • 接種間隔が長い方が全体的なT細胞量は少なかったものの、「ヘルパーT細胞」と呼ばれる細胞の割合が高くなった。このヘルパーT細胞は、免疫記憶を支えるという

ドゥアンシー教授は、ワクチンは1回しか受けないよりも2回受けた方が良いとした上で、2回目を受けるタイミングの良し悪しは状況によって異なると話す。

現在のイギリスの状況では、「8週間がベストなタイミングのように思える。大勢が2回目を希望しているし、デルタ変異株がたくさん出回っているので」と、教授は話した。

「残念ながらこのウイルスが早々に消えるとは思えないので、その中で自分にとって最善な防御をどう身につけるのが良いか、考えてもらいたい」

動画説明,

イギリスの若者はワクチン打ちたい? 打ちたくない? 18歳以上が接種可能

研究共著者の1人、英ニューカッスル大学のレベッカ・ペイン博士は、「どちらの間隔でも2回の接種後に、新型コロナウイルスに対する旺盛な免疫反応が得られると安心できる証拠が得られた」と話した。「今後さらに追跡調査を重ねて、今回の知見が臨床でどのような意味を持つのか全容を解明したい」。

イングランド公衆衛生庁(PHE)のデータによると、ファイザー製ワクチンは1回の接種だけでも、重症化や入院、死亡のリスクを効果的に減らしているという。

英政府のナディム・ザハウィ・ワクチン担当相は、「最新のPITCH調査の結果は、COVID-19への免疫反応の仕組みの理解を助け、2回接種の重要性を示しており、イギリスだけでなく世界にとってもきわめて重要だ」と述べた。

「全成人へのワクチン提供を急ぐ中、政府は『予防接種と免疫に関する合同委員会 (JCVI)』の助言を受け、デルタ株からより大勢を守るため、接種間隔を12週から8週に短縮した。今回の調査から、この(8週間の)感覚が強力な免疫反応につながると、あらためて証拠が得られ、私たちの判断を裏付けてくれた」とザハウィ氏は話し、成人は自分や周りの人たちを守るため、ワクチンを受けるよう呼びかけた。

ザハウィ氏はさらに、「この免疫の防御を維持するため、特に感染リスクの高い数百万人には9月から追加接種を提供する方針」だと述べた。