【東京五輪】 調理師を辞め金、自転車BMX女子の英選手 競泳の英チームはメダル過去最多

Charlotte Worthington

画像提供, Getty Images

画像説明,

シャーロット・ワージントンは生き方を変えて競技に打ち込んできた

東京オリンピックでイギリス勢が1日、メダル獲得数を伸ばした。自転車競技の新種目、BMXフリースタイルのパークで、女子のシャーロット・ワージントン(25)が金、男子のデクラン・ブルックス(25)が銅を獲得。最終日を迎えた競泳も、男子4×100メートルメドレーリレーで銀メダルを取った。

有明アーバンスポーツパークであったBMXフリースタイルのパークは、ジャンプなどの技を組み入れた1分間のライディングを2本披露し、高い方の得点で競った。

ワージントンは4年前に調理師の仕事を辞め、この競技に専念してきた。

1本目、女子選手で誰も成功したことのない大技「360度バックフリップ」に挑戦。だが着地で転倒し、9人中7位に沈んだ。

一方、過去3回のワールドカップを制し、今大会も優勝候補筆頭のハナ・ロバーツ(19、アメリカ)は1本目、次々と難易度の高い技を決めた。フィニッシュすると、自転車を放り投げるようにして満足感を表現。96.10を出してトップに立ち、金メダルをほぼ手中に収めたと思われた。

「猛練習が報われた」

2本目、ワージントンはまたも、最初のライディングで失敗した大技にチャレンジ。空中で体を回転させると、今度は見事に着地を決めた。その後も多彩な技を繰り出し、97.50をたたき出した。

ロバーツら残る4人はワージントンの得点を超えられず、初代王者が決まった。ワージントンが逆転劇をチームと喜ぶ一方、ロバーツはショックを受けた表情を見せた。

画像提供, Getty Images

画像説明,

ワージントン(左)とチームのスタッフは97.50の点数が出ると歓喜した

競技後、ワージントンは360度バックフリップについて聞かれると、「信じられない」と話した。

「あの技は長いことやっていなかったが、チームのみんなと決め技を探していて、あれにたどりついたとき『これだ』と思った。ハナ・ロバーツがいなければこ、あれほどの技はやっていかった」

「猛練習が報われた。自転車に乗るのは身体的なハードワークだが、自分自身に対する取り組みもしてきて、その効果も出たと思う」

仕事を辞めて打ち込む

準優勝のロバーツは、「1本目は良かったが、もっと改善できた。すべって足首を痛めてしまった」と話した。

「シャーロットに続く2位になれて光栄だ。BMX女子パーク、360度バックフリップ、たくさんの人が世界初の技を披露した。この種目にとって素晴らしい時だ」

画像提供, Reuters

画像説明,

金メダルを手にしたワージントン

<関連記事>

比較的遅くにBMXを始めたワージントンは、2017年に調理師の仕事を辞めた。「キッチンで週40時間働き、ライディングに向けるエネルギーはほとんど残ってなかった」とBBCスポーツに語っていた。

この決断は「ライフスタイルの変化」がきっかけだったと説明。自己啓発が自転車の上達においても基礎になったとした。

また、東京オリンピックが延期されたことで、大舞台での勝負に必要な技を習得する時間が得られたと述べていた。

ワージントンはこの日の優勝で、イギリス国内とヨーロッパ、そしてオリンピックの王者となった。

「この興奮はしばらく冷めない」

女子に続けて行われた男子決勝では、イギリスのブルックスが90.80で3位に入った。金メダルは、ローガン・マーティン(オーストラリア)が93.30で勝ち取った。

ブルックスは明らかに感極まった様子で「さっきから数分間ずっと泣いていた」と話した。

「ここに来るまで、信じられない道のりだった。すごく興奮している。しばらくは実感がわかないと思う」

「自分がどんなランをしたいのかは分かっていた。いくらかミスはあったが、正直言って、あれが自分にできるすべてだった」

日本は女子の大池水杜(24)が7位、男子の中村輪夢(19)は5位だった。

イギリス勢は、7月30日にあったBMXレーシングでも、女子のベサニー・シュリーヴァー(22)が金、男子のカイ・ホワイト(21)が銀を獲得。自転車での活躍が光った。

イギリス競泳で過去最多の8メダル

競泳は最終日、東京アクアティクスセンターで男子4×100メートルメドレーリレーの決勝があり、イギリスチームが2位でフィニッシュした。

ダンカン・スコット、アダム・ピーティー、ルーク・グリーンバンク、ジェイムズ・ガイの4人。3分26秒78の世界記録で優勝したアメリカには0.73秒遅れた。3位はイタリアだった。日本は6位に終わった。

画像提供, PA Media

画像説明,

銀メダルを獲得したイギリス男子チーム

イギリスはこれで、競泳のメダル獲得数が過去最多の8(金4、銀3、銅1)個になった。スコットは4個目のメダルを手に入れ、オリンピック1大会におけるイギリスの個人最多記録をつくった。

2012年ロンドン五輪はメダル3(銀1、銅2)個に終わり、2016年リオデジャネイロ五輪では金メダル1個しか取れなかった。今回は大幅増になった。

ただ、この日泳いだ男子チームは、最後に金メダルが取れなかったことを悔やんだ。

個人ではメダル3(金2、銀1)個を獲得したピーティは、「僕たちは銅や銀は目指していない。どうやって金を取るかを考えている。自分はそういう気持ちで臨んでいる」と話した。

画像提供, PA Media

画像説明,

アダム・ピーティは今大会、金メダルを2個手に入れた

ドレセルは金5個

一方、競泳界のスーパースター、ケイレブ・ドレセル(24、アメリカ)はこの日、男子50メートル自由形で優勝。4×100メートルメドレーリレーの優勝とあわせ、今大会獲得した金メダルを5個に伸ばした。

1つの大会での金メダル獲得数としては、マイケル・フェルプス、マーク・スピッツ、マット・ビオンディ(いずれもアメリカ)、クリスティン・オットー(旧東ドイツ)と並ぶ記録となった。

画像提供, Getty Images

画像説明,

ケイレブ・ドレセルは東京で7個のメダルを獲得。うち5個は金だった

オーストラリアのエマ・マキオン(27)は、女子50メートル自由形で優勝。さらに、4×100メートルメドレーリレーでもオーストラリアチームとして優勝し、今大会4個目の金メダルを手に入れ、総メダル数は7個とした。同リレーで日本は8位だった。

マキオンが生涯獲得した五輪メダルは計11個となり、伝説的選手イアン・ソープを抜いて、オーストラリア最多となった。

順位