【東京パラ】 新競技バドミントン、里見が金 日本女子勢は1日でメダル5個獲得

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鈴木亜弥子は4日、銀と銅の2個のメダルを手にした。写真は3日の予選リーグ
東京オリンピックは4日、今大会で初採用のバドミントンがあり、里見紗李奈(23)が女子シングルスWH1で金メダルを勝ち取った。他のクラスでも日本女子勢のメダル獲得が相次ぎ、銀1個、銅3個のメダルラッシュとなった。
国立代々木競技場であったバドミントンの女子シングルスWH1(車いす)決勝は、里見とスジラット・ポーカン(35、タイ)が対戦。ポーカンは第1ゲームを取り、第2ゲームも15-9とリードを広げ、優勝に大きく近づいた。
しかし里見は、ここから9ポイント連取するなどし、このゲームを奪取。最終ゲームも序盤はポーカンが先行したが、里見が逆転し、ゲームカウント2-1で勝利した。
大会主催者側は、マッチポイントを取って喜ぶ里見の動画をツイッターに投稿した。
NHKによると、里見は高校3年の時に交通事故に遭い、車いすでの生活となった。パラバドミントンは、2017年に本格的に始めた。
里見は試合後、「信じられないぐらいうれしい。夢みたいです」と喜びを表現。
「1ゲーム目を簡単にとられて不安になりましたが、コーチから勝ちたい気持ちが強いほうが勝つと言われ、気持ちを盛り上げながら試合をしました」と、振り返った。
里見は5日、ダブルスWH(車いす)の決勝にも出場し、2個目の金メダルを狙う。
鈴木は単・複、伊藤は複でメダル
女子シングルスSU5(上肢障害)決勝では、鈴木亜弥子(34)が楊秋霞(23、中国)に0-2で敗退。金は逃したが、銀メダルを手にした。
鈴木は試合後、「自分の中でもっと粘れるかなと思っていましたが、それができなくて悔しいです」と、涙ながらに話した。
鈴木はその約2時間後、伊藤則子(45)と組んだ女子ダブルスSL3(下肢障害)-SU5の3位決定戦にも出場。フランスのレナイ・モラン(30、SL4)、フォスティーヌ・ノエル(27、SL4)ペアに2-0で勝利し、伊藤と共に銅メダルを獲得した。
毎日新聞によると、鈴木は生まれつき右腕に機能障害があり、右腕を肩から上に上げられない。両親や姉の影響で、小学3年でバドミントンを始めた。健常者に交じってプレーし、高校時代は団体で全国高校総体に出場。ダブルスでは全国大会で2位になった。パラバドミントンは大学3年の時に大会に初参加したという。
NHKによると、鈴木は世界選手権を制覇し、2010年には現役を引退。一般企業に就職した。しかし、東京パラリンピックでバドミントンが競技に採用されたことで、復帰を決めたという。
一方の伊藤は幼少時、病気により右足の一部を切断。義足を使用している。今大会ではダブルスだけに出場した。
伊藤は試合後、「いいかたちで終われてよかったです」と話した。
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日本人対決、杉野が制する
女子シングルスSU5(上肢障害・立位)の3位決定戦は、日本選手同士の対戦となった。第1ゲームは杉野明子(30)、第2ゲームは亀山楓(26)が取り合い、勝負は最終ゲームへ。
序盤から杉野がポイントを重ね、13-4と大きくリード。しかし亀山は、ここから5ポイント連取して食い下がった。だが終盤は再び杉野が攻勢に出て、21-13でこのゲームを奪い、銅メダルを決めた。
NHKによると、杉野は左腕を曲げられない障害がある。
杉野は試合後、「(亀山は)一緒に苦しい所を乗り越えてきた仲間なので、だからこそ正々堂々戦って、自分が今回勝ちましたけど、お互いをたたえ合っていきたいなと思います」と話した。
山崎が銅、5日に里見と複決勝へ
女子シングルスWH2(車いす)3位決定戦は、山崎悠麻(33)が2-0でエミネ・セジュキン(41、トルコ)を下し、銅メダルを手に入れた。
第1ゲームこそ中盤まで競り合いが続き、山崎が21-16で取った。しかし第2ゲームになると、山崎が9ポイント連続で取る場面があるなど、セジュキンを圧倒。21-8で取って勝利を決めた。
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里見紗李奈と組んだダブルスでプレーする山崎悠麻(2日)。4日のシングスでは銅メダルを獲得した
NHKによると、山崎は高校1年の時に交通事故に遭い、腰から下の感覚を失った。パラバドミントンは2014年に本格的に始めたという。
試合後、「目標だった銅メダルをとれて本当にうれしいです。やりたいプレーがきちんとできて、体も動いてくれていい試合ができました」と話した。
山崎は里見と組んだダブルスで、5日にダブルスWH(車いす)の決勝に臨む。
順位