アフガンの反タリバン勢力、和平交渉に応じる姿勢 タリバンは全ての州の掌握を主張

Afghan resistance movement and anti-Taliban uprising forces take part in a military training in Panjshir province on 2 September

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アフガン北東部パンジシールはタリバンに抵抗する勢力にとって重要な拠点となっている。写真は訓練するNRF戦闘員(2日)

アフガニスタン北東部パンジシール州で、武装勢力タリバンとの戦闘を続ける「アフガニスタンの反タリバン国家抵抗戦線」(NRF)の指導者は5日、和平交渉に応じる用意があると表明した。タリバンは外国部隊の撤退後に国内で支配地域を急速に拡大したが、唯一パンジシールは制圧できていないとされる。しかしタリバンは6日、同州を完全掌握したと主張した。

NRFの指導者アフマド・マスード氏は、聖職者たちが提案した交渉による和解を支持すると述べ、タリバンに攻撃をやめるよう求めた。

マスード氏の表明に先立ち、パンジシールでタリバンが急速に勢力を伸ばしていると報じられていた。

首都カブールの北に位置するパンジシールは、タリバン支配への抵抗を示す重要な拠点となっている。

タリバンは3週間前にアフガンの残りの地域を制圧。8月15日には、欧米の支援を受けていたアフガン政府の崩壊後にカブールを掌握した

マスード氏は、元アフガン治安部隊メンバーや地元の民兵を含む「アフガニスタンの反タリバン国家抵抗戦線」(NRF)が、タリバンが攻撃をやめれば戦闘を停止する用意があると、フェイスブックに投稿した。

和平交渉について、タリバンからはすぐに回答はなかった。

タリバンが「勝利宣言」

タリバンの報道担当ザビフラ・ムジャヒド幹部は翌6日、NRFとの戦闘でタリバンが勝利したと宣言した。

しかしNRF側は、戦闘員は今も「あらゆる戦略的場所」にとどまり、「戦い続けている」と反論した。

NRFスポークスマンのアリ・マイサム氏はBBCに対し、「タリバンはパンジシールを掌握していない。タリバンの主張を否定する」と述べた。

また、NRFはツイッターで、「タリバンとその協力者への抵抗は、正義と自由が勝利するまで続く」とした。

ソーシャルメディアには、パンジシール州知事の事務所の門の前にタリバン戦闘員がいる様子をとらえた写真が投稿された。BBCはこれを独自に検証できていない。

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NRFはタリバンの支配に抵抗を続けている。写真はパンジシールでタリバンの攻撃に備える男性たち(8月)

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約15万~20万人が住むパンジシール渓谷は、1980年代のソ連侵攻時代や前回のタリバン政権下でも、抵抗運動の中心地だった。

NRFとタリバンの戦闘による正確な死者数は不明だが、両者はそれぞれ死傷者が出ていると報告している。

NRFによると、タリバンとの戦闘でNRFスポークスマンのファヒーム・ダシュティ氏とアブドゥル・ウドッド・ザラ司令官が死亡し、タリバンの主要司令官1人とボディーガード13人も死亡したという。

タリバンは先に、タリバン戦闘員がパンジシール州の州都バザラクに入り、「多数の死傷者」を出したと発表。NRFはこれに反論した。

国連の人権担当者とタリバン幹部が面会

一方カブールでは、国連で人権問題を担当するマーティン・グリフィス事務次長が複数のタリバン指導者と面会し、すべての民間人、とりわけ女性や少女、少数民族を保護するよう求めた。グリフィス氏は、タリバン創設者の1人アブドゥル・ガニ・バラダル師と写真を撮影した。

国連の報道官によると、タリバン幹部は、人道支援を必要とする国民全員への支援提供と、人道支援を提供する担当者全員について、男女問わず移動の自由を保障すると約束したという。

国連によると、アフガニスタンでは人口の約半数にあたる1800万人が人道的支援を必要としている。

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アフガン・カブールで面会したアブドゥル・ガニ・バラダル師(右)とマーティン・グリフィス国連事務次長(右から2人目)

女性や少数派の扱いは

タリバンは5日、大学での男女の扱いについて詳細を公表。必要に応じてカーテンを使うなどして、男女を別々に分けなくてはならないとした。

AFP通信によると、女性教員が女性に教えるのが理想的だが、女性教員がいない場合には、人格者の「高齢男性」が代わりに教えることができるという。女子生徒は全身を覆うアバヤや、顔と頭を覆うニカブの着用を義務付けられる。

アフガン掌握以降、タリバンは以前より寛容なイメージを演出しようとしているが、アフガンの一部地域では依然として残忍な行為や抑圧が報告されている。4日にはカブールで、タリバンが女性の権利尊重を求める集会を解散させた

人権団体もまた、宗教的少数派に対する報復殺人や高速、迫害を確認している。タリバンはアフガン政権のために働いていた人々に報復はしないと、公に発言している。

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「前は安全がなかった、今は平和」 アフガニスタン農村部は戦闘終了を歓迎

目撃者の話によると、中部ゴール州ではタリバン戦闘員が妊娠中の女性警官を射殺したという。タリバン側は関与を否定しており、この事件について調査中だとした。

アメリカのマイケル・マコール下院議員(共和党)は、アフガン北部マザーリシャリーフの空港からアフガン人やアメリカ人が出国するのをタリバンが阻止していると非難した。タリバンはこれを否定したが、あるNGO団体によると、搭乗を待つ人の列ができているという。