タリバン新政権で内部対立か 暫定副首相と閣僚が激しい口論=情報筋

The leader of the Taliban negotiating team Mullah Abdul Ghani Baradar looks on during the final declaration of the peace talks between the Afghan government and the Taliban is presented in Qatar's capital Doha on July 18, 2021

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暫定副首相に就任したアブドゥル・ガニ・バラダル師は2020年に米軍撤退などを盛り込んだ合意文書に署名した。写真は2021年7月18日にカタール・ドーハで行われた当時のアフガン政権との和平交渉に出席した際のバラダル師

アフガニスタン新政府の構成をめぐり、武装勢力タリバンの指導者たちの間で激しい口論が起きていたことが明らかになった。タリバンの複数の高官がBBCに語った。

タリバン幹部の話によると、タリバンの共同創設者で、暫定副首相に就任したアブドゥル・ガニ・バラダル師と閣僚1人が大統領官邸で言い争いになったという。

バラダル師はここ数日、公の場から姿を消しており、タリバン指導部内で意見の食い違いが出ているとの未確認情報が出ていた。

タリバンはこうした噂を公式に否定している。

先月にアフガンを掌握したタリバンは、「アフガニスタン・イスラム首長国」の樹立を宣言。同国の暫定政府を発表した。新内閣は男性のみで構成され、過去20年の間に米軍を攻撃したことで知られるタリバン幹部が、複数含まれている。

手柄めぐってもめたか

あるタリバンの情報筋がBBCに語ったところによると、バラダル師と、難民担当相で過激派組織「ハッカーニ・ネットワーク」の重要人物カリル・ウルラフマーン・ハッカーニ氏が激しく言い争っていた。近くでは両者の支持者たちによる乱闘が起きたという。

カタールを拠点とするタリバン幹部や関係者も、先週後半に口論があったと認めた。

これらの情報筋によると、暫定副首相のバラダル師が暫定政府の構成に不満を持っていたため口論になった。

アフガンでのタリバンの勝利を誰の手柄にするかで、もめたと言われている。

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路線の違い

バラダル師は、自分のような人物による外交に重点を置くべきだと考えていると報じられている。一方で、タリバンの最上級幹部の1人が率いるハッカーニ・グループのメンバーやその支持者は、タリバンの勝利は戦闘により達成されたものだと主張している。

バラダル師は2020年に当時のドナルド・トランプ米大統領と電話で会談した。タリバン指導者が米大統領と直接対話したのは初めてだった。これに先立ち、バラダル師はカタールで、タリバンを代表して米軍撤退などを盛り込んだ合意文書に署名した。

こうした中、強い影響力を持つハッカーニ・ネットワークは、近年アフガンで発生したアフガン軍や欧米の連合軍に対する最も暴力的な攻撃に関与してきた。アメリカはハッカーニ・ネットワークをテロリスト組織に指定している。

同グループのリーダー、シラジュディン・ハッカーニ氏は暫定内務大臣に就任した。

暫定副首相が姿消す

タリバンで最も顔が知られた人物の1人であるバラダル師が公の場から姿を消し、先週後半から仲間割れが起きているのではないかとの噂が広まっている。また、バラダル師が死亡したのではなかとの憶測も流れた。

タリバンの情報筋はBBCに対し、バラダル師はカブールを離れてカンダハールへ移動したと説明した。

BBCは、タリバンの多数の公式サイトに掲載されているこの音声が本人のものか確認できていない。

タリバン側は、言い争いはなく、バラダル師は安全な状態にあるとの主張を続けているが、バラダル師の現在の状況については矛盾した声明を出している。タリバンの報道担当者は、バラダル師がタリバンの最高指導者に会うためにカンダハールへ行ったとした。しかしその後、BBCパシュトー語に対して、バラダル師は「疲れていて、少し休みたい」と話したと説明した。

過去に指導者の消息を隠す

タリバンの言葉を疑うのは当然だと、多くのアフガン人は思うだろう。タリバンは2015年、タリバン創設者で初代最高指導者だったムラー・オマル氏の死を2年以上にわたって隠蔽していたことを認めた。この間、オマル氏の名前で声明を出し続けていた。

バラダル師はカブールに戻る予定で、カメラの前で口論について否定するかもしれないと、情報筋はBBCに述べた。

タリバンの最高指導者マウラウイ・ハイバトゥラー・アクンザダ氏についても、公の場に決して姿を見せないことから憶測が飛び交っている。アクンザダ氏はタリバンの政治、軍事、宗教の責任を負っている。

こうした中、アフガンの暫定外務大臣は14日、国際的な支援の再開を求めた。そして、国際社会はこうした支援を政治的に利用してはならないと述べた。

国連は13日にアフガンへの人道支援について会合を開き、各国が合わせて10億ドル(約1100億円)以上を拠出すると表明した。国連はアフガンに「大惨事が迫っている」と警告していた。