IOC、中国テニス選手とビデオ通話 「安全だと説明受けた」

Image released by the IOC which shows the call taking place

画像提供, IOC / Greg Martin

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IOCは声明と共に、ビデオ通話の画面に映る、笑顔の彭さんの写真を公開した

国際オリンピック委員会(IOC)は21日、安否が問われている中国のテニス選手、彭帥さん(35)とビデオ通話をしたと発表した。彭さんは安全で元気だと話したという。

彭さんは、3週間前に前副首相から性的暴行を受けたと告発した後、安全が危ぶまれている。女子テニス協会(WTA)や著名選手らが、中国当局に彭さんの安全を証明するよう求めている。

IOCは声明で、トーマス・バッハ会長が彭さんとビデオ通話で30分ほど話したと説明。「(彼女は)元気だった。これが我々が最も懸念していたことだ」と述べた。

「30分の通話の最初に、彭帥さんはIOCに、自分を気遣ってくれたことを感謝すると述べた」

「彼女は安全で元気だと言い、北京の自宅に住んでいると説明した。ただ、今はプライバシーを尊重してほしいと話した」

「今は家族や友人と過ごしたいと言っていたが、今後もテニスに関わるという」

IOCは声明と共に、ビデオ通話の画面に映る、笑顔の彭さんの写真も公開した。

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トップ選手らが彭さんの安否を気遣う声をあげたことを受け、中国の国営メディアは21日、彭さんが元気なことを示すとする動画や写真を立て続けに掲載した。

国営系の新聞、環球時報の胡錫進編集長は21日、ツイッターに動画を投稿し、「彭帥が日曜日朝、北京で開かれた10代のテニス大会決勝の開会式に姿を見せた」と説明した。撮影したのは同紙の写真記者だとした。

ロイター通信は、大会主催者も彭さんの写真を、中国のソーシャルメディアの微信(ウィーチャット)に投稿したと伝えた。

しかしWTAのスティーヴ・サイモン最高経営責任者(CEO)はこれらの動画について、「彭さんの安全や、検閲や抑圧のない状態で外部とコミュニケーションが取れるかどうかという懸念を緩和・払拭するものではない」と述べた。

「私たちのそもそもの懸念は、彭さんに対する性暴力疑惑について、検閲のない、十全で透明性のある調査がなされるかどうかだ。WTAの姿勢は、この動画では変わらない」

女子ダブルスで元世界ランキング1位の彭さんは今月2日、ソーシャルメディアの微博(ウェイボー)で、張高麗前副首相(75)から性的関係を「強要された」と訴えた

中国で有力政治指導者に対し、今回のような訴えがなされたのは初めて。中国の#MeToo運動としては、最も注目を集める事案となっている。