欧州各地で大規模デモ 新型ウイルスの規制強化に反発

Street fire during a demonstration against the Belgium government's anti-Covid measures in Brussels on 21 November 2021

画像提供, Belga/AFP

画像説明,

ブリュッセル中心部ではデモ参加者らがバリケードに火をつけた(21日)

ヨーロッパで、新型コロナウイルス関連の規制強化への反発が広がっている。ベルギーでは21日、数万人規模の抗議デモが起きた。

ベルギーの首都ブリュッセルであった抗議デモでは、警官隊が催涙ガスや放水銃を使って対応。デモ参加者の一部は警官隊に花火を投げつけた。

参加者らは主に、ワクチン未接種者に対してレストランやバーへの入店を禁じるCOVIDパスの制度に抗議している。

同国ではマスクに関するルールが強化され、レストランなどでの着用が求められている。来月中旬までは国民のほとんどが、週4日の在宅勤務が義務付けられる。医療従事者らのワクチン接種を義務化する計画もある。

オランダでは警官隊が発砲

規制強化に対する抗議デモは、オランダ各地でも2日続けて発生した。

20日にはハーグで、デモ参加者の一部が機動隊に向けて花火を投げたり、自転車に火をつけたりした。機動隊は馬や犬、警棒などを使って、群衆を散らそうとした。

当局によると、少なくとも7人が拘束された。警官5人が負傷し、うち1人は膝のけがで救急車で搬送された。

現地メディアは、南部ローゼンダールで小学校が放火され、警察は少なくとも15人を拘束したと伝えた。東部エンスヘーデでは夜間の外出を防ぐため、緊急命令が出された。

同国ではこのほか、サッカーのトップリーグの2試合が一時中断された。サポーターらが競技場に入り込み、ピッチ上で走ったためだった。競技場への入場は現在、新型ウイルス対策で禁止されている。

19日夜には同国ロッテルダムで、デモ参加者の一部が暴徒化。警官隊が発砲し、少なくとも4人のデモ参加者が負傷して病院で治療を受けている。

警察の報道官はロイター通信に、「生命が脅かされる状況だった」と説明した。当局はこの件について捜査を開始した。

オランダは新型ウイルス感染者の急増を受け、先週末から3週間の部分的ロックダウンを実施している。バーやレストランは午後8時に閉店となり、スポーツ大会は無観客で開催されている。

動画説明,

オランダ、新型ウイルス対策強化に市民が反発 暴動に発展

<関連記事>

その他の国々でも

オーストリア、クロアチア、イタリア、デンマークでも、新たな行動制限をめぐって国民の間で怒りが高まっており、路上で大規模な抗議デモが繰り広げられた。

オーストリアの首都ウィーンでは、新たな全土ロックダウンの実施や、来年2月にワクチン接種を義務化する計画などに抗議する大型デモが起きた。

ロックダウンは22日から20日間の予定。生活に不可欠な商店以外は閉鎖され、在宅勤務が命じられる。

参加者たちは国旗や「自由」と書かれた旗を振り、「抵抗!」と声を張り上げた。警官隊にはブーイングを浴びせた。

クロアチアの首都ザグレブでも、公的部門で働く人たちを対象にワクチン接種を義務化することに抗議する数千人が行進した。

イタリアでは、職場や公共交通機関などで証明書「グリーンパス」の提示が求められることに反対する数千人が、首都ローマの古代競技場遺跡チルコマッシモに集まった。

デンマークの首都コペンハーゲンでも、1000人近くが公的部門職員に対するワクチン接種義務化の計画に抗議するデモがあった。

カリブ海の仏領グアドループでは、医療関係者を対象としたワクチン接種の義務化や、燃料価格の高騰などへの抗議が暴動となった。商店で強奪が発生し、事業所が放火されるなどした。

報道によると、38人ほどが拘束された。これを受け、フランス当局は21日、警察の特殊部隊を派遣した。

一方、イギリスのサジド・ジャヴィド保健相は、ドイツで感染者が増加しているものの、同国との渡航に関するルールを変更する予定はないと表明。ドイツは現在、デルタ変異株に対応しており、イギリスにはすでにデルタ株が入っているためだと説明した。

世界保健機関(WHO)は20日、新型コロナウイルスの新たな感染の波がヨーロッパで拡大していることについて、「非常に心配している」と表明した

画像説明,

欧州5カ国の人口100万人あたりの感染者数の推移(7日間移動平均)。直近データの11月18日時点でオーストリア、オランダ、イギリス、ドイツ、イタリアの順に多い(出典:米ジョンズ・ホプキンス大学、gov.uk dashboard)