英アンドリュー王子の民事裁判、年内に開かれる見通し 性的暴行疑惑めぐり

Prince Andrew, Virginia Roberts and Ghislaine Maxwell in 2001

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2001年に撮影されたアンドリュー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏、ギレイン・マックスウェル被告(左から)の写真

英王室のヨーク公アンドリュー王子(61)が、2001年に当時17歳の女性に性的暴行をしたとしてアメリカで起こされている民事訴訟で、年内に公判が開かれる見通しとなった。米連邦裁判事が12日、訴えの却下を求める王子側の主張を退けた。

昨年8月に訴えを起こしたのはヴァージニア・ジュフリー氏(38)。米富豪ジェフリー・エプスティーン元被告(故人)と親交のあったアンドリュー王子から、2001年にニューヨークやロンドンなどで3回にわたり性的暴行を受け、「多大な精神的、心理的な苦痛と損害」に悩まされ続けていると訴えている。

エプスティーン元被告は2019年、性的人身売買の罪で訴追され、裁判を待つ間に拘置施設で自殺した。恋人のギレイン・マックスウェル被告(60)は昨年12月、少女たちを元被告に仲介した罪などで、ニューヨークの裁判所で有罪評決を受けた

アンドリュー王子の弁護団は、先に明らかになった、ジュフリー氏が2009年にエプスティーン元被告と和解する際に交わした合意書を理由に、訴えは却下されるべきだと主張していた。

しかしニューヨークの判事は、訴訟の継続を決めた。これにより、今年中に裁判が開かれる可能性が出てきた。

王子は一貫して、ジュフリー氏の訴えの内容を否定している。英王室は、進行中の訴訟についてはコメントしないとした。

原告の訴えについては判断せず

ニューヨーク州南部地区連邦地裁のルイス・A・カプラン判事は12日、46ページの決定文書を出した。訴えを却下するよう求める王子側の主張は、その中で明らかになった。

カプラン判事は今回の決定について、ジュフリー氏の訴えの正誤を判断したものではないと説明している。

ジュフリー氏は、デイヴィッド・ボイズ弁護士を通して声明を発表。訴訟を反故にしようとするアンドリュー王子の試みが失敗し、訴えの証拠が検討されることになったのは「喜ばしい」と述べた。

ジュフリー氏は裁判所に提出した書類で、自らを性的人身売買の犠牲者だとし、富豪エプスティーン元被告に虐待されていたと主張した。

また、別の男性有力者に「貸し出される」こともあったと述べた。

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訴えの対象外になるのか

エリザベス女王の次男のアンドリュー王子は、2019年にBBC番組ニューズナイトに出演。ジュフリー氏と会った記憶はないと述べた。また、同氏がアメリカとイギリスで王子とセックスをしたと訴えていることについて、そうしたことは「起きていない」と話した。

また、エプスティーン元被告やマックスウェル被告との交友関係は一時的なものだったと説明した。王子はこの番組出演後まもなく、公務から離れた

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王子の弁護団はこれまで、ジュフリー氏が損害賠償請求をめぐってエプスティーン元被告と2009年に和解した際、元被告と関係のある人物を訴えないと裁判所も交えて合意したことを強調してきた。

オンラインで開かれた弁論で弁護団は、ジュフリー氏の訴えの対象とならない人物に王子も含まれているとし、訴えを却下するよう求めた。

これに対しジュフリー氏の弁護士は、訴えの対象から外れるのは和解の関係者だけであり、「第三者」は含まれないとした。

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ヴァージニア・ジュフリー氏

カプラン判事は今回の決定において、ジュフリー氏の訴えは「法的に不十分」だとするアンドリュー王子側の主張を退けた。

判事は、ジュフリー氏が和解した時の合意の効力が王子にも及ぶかは「あいまいだ」とし、現段階では検討できないとした。

また、「ジュフリー氏の訴えの真実性を疑おうとする被告の努力は、裁判では容認されるだろう」が、今回の決定では考慮しなかったと説明した。

さらに、ジュフリー氏とエプスティーン元被告の合意にある「関係者」が誰を意味しているのか、現時点で裁判所が決めることはできないとした。

アンドリュー王子の弁護団は、カプラン判事の決定を不服として上訴することができる。ただしそれにはカプラン判事の許可が必要で、専門家らは今回の決定の文言からみて許可は出ないだろうとみている。