韓国大統領選、保守派野党候補の尹氏が勝利 得票差は1%未満

Yoon Suk-yeol (R) and Lee Jae-myung (L)

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尹錫悦(ユン・ソギョル)氏(左)は接戦の末、李在明(イ・ジェミョン)氏に勝利した

9日に投開票が行われた韓国の大統領選挙で、接戦の結果、野党「国民の力」候補の尹錫悦(ユン・ソギョル)氏が選ばれた。

与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補は10日朝に敗北を認め、支持者に自らの「欠点」を謝罪した。

一方、保守派の尹氏は、「素晴らしい人々の勝利」だと述べた。

両候補は選挙期間中、ネガティブキャンペーンを行っていたと批判されていた。得票率は尹氏が48.56%、李氏が47.83%と、その差1%未満で勝敗が決まった。

この日は多くの有権者が投票に訪れ、中央選管によると、9日午後7時時点の暫定投票率は77・1%だった。

有権者の関心事は、急上昇を続ける住宅価格、経済成長の停滞、若年層の失業問題だった。

米ホワイトハウスは、ジョー・バイデン大統領が米韓関係の拡大に期待していると述べたとする声明を発表した。

日本の岸田首相も10日に尹氏に祝意を表し、「健全な日韓関係は(中略)地域や世界の平和と安定、繁栄のため不可欠のものだ。日米韓の連携も重要だ」と述べた。

<解説>尹錫悦氏とはどんな人物か ――ローラ・ビッカー・ソウル特派員

韓国は、保守派が大統領選に勝利し、新しい時代を迎えようとしている。しかし、かろうじて、だ。

リベラル派のライバル、李在明氏に対する尹錫悦氏の勝利は決定的なものにはほど遠い。票差はわずか1%未満だった。世界第10位の経済大国である韓国で、政治がいかに激しく分裂しているかを物語っている。

尹氏は昨年政界入りしたばかりだが、保守系の朴槿恵(パク・クネ)前大統領を収賄と汚職の罪で起訴し、一躍脚光を浴びた。

一方で、政治の初心者である同氏は、ドナルド・トランプ前米大統領と比較されていたほか、選挙戦を通じて失言が多かった。1980年の光州事件で抗議デモの参加者を虐殺した権威主義的な当時の全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領について「政治がうまかった」と発言し、撤回する羽目になった。

さらに、男女平等省の廃止を公約に掲げ、女性の権利に関する指標が先進国で最も悪い国の一つである韓国の出生率の低さを、フェミニズムの台頭のせいにしている。

外交政策については、現在のリベラル派のリーダーである文在寅(ムン・ジェイン)大統領よりタカ派的だ。

北朝鮮が韓国を攻撃しようとする場合に備え、先制攻撃を行うための技術開発を目指すと述べている。また、金正恩(キム・ジョンウン)政権への制裁を支持しており、主要同盟国であるアメリカの政策に、さらに寄り添う格好になる。

中国に対しても、より厳しい姿勢を取りたいと考えており、韓国は米国、オーストラリア、インド、日本の4カ国からなる安全保障同盟「クアッド」にもっと全面的に協力すべきだと提案している。しかし、同盟に参加すべきとまでは明言しなかった。

外交政策に対する尹氏の見解は、北朝鮮への関与を続け、最大の貿易相手国である中国を刺激するような姿勢をほとんど取らなかった前任者からの決定的な変化だ。