ビットコイン、昨年11月のピークから5割下落

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暗号資産(仮想通貨)交換業の米コインベースによると、ビットコインの価値が週末にかけて下がり続け、3万4000ドル(約445万円)を割り込んだ。
ビットコインは時価総額で世界最大の暗号資産。その価値は、昨年11月のピークと比べ50%下落している。
世界各地の株式市場でもここ数日、株価が大きく下がっている。
アジアの株式市場は9日、再び下落傾向が見られた。日経平均は、前週の終値から684円22銭(2.53%)安の2万6319円34銭で終了した。
プロ投資家らが市場に参入
ビットコインは暗号資産市場の約3分の1を占める。時価総額は約6500億ドル。
世界第2位の暗号資産イーサリアムも値下がりしている。先週には10%超下落した。
暗号資産市場は今年、比較的静かに推移してきた。ただ、デジタル資産の値動きが荒れるのは、以前は珍しくなかった。
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取引は長年、個人投資家が大部分を占めていた。しかし最近は、ヘッジファンドや資産運用会社など、プロの投資家が市場に参入している。
伝統的な投資家によるデジタル資産の取引が増えたことで、暗号資産はいっそう、世界の株式市場の動きに影響されるようになっている。
暗号資産を購入する機関投資家の多くは、暗号資産をテクノロジー株と同様のリスク資産として扱っている。
市場が不安定な時期には、伝統的な投資家はリスクが高いと思われる資産を売り、より安全な投資先に資金を移すことが多い。
ウクライナでの戦争で懸念も
アメリカ、イギリス、オーストラリアなど世界各国の中央銀行は先週、物価上昇に対処するため金利を引き上げた。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、政策金利を0.5%ポイント引き上げ、過去20年以上で最大の利上げとなった。
これを受け一部の投資家の間では、インフレと借入コストの上昇が世界経済の成長に大きな影響を与えかねないとの懸念が高まっている。
投資家らはまた、ウクライナでの戦争が世界経済に与える影響についても心配している。
ビットコインは昨年以降、エルサルバドルと中央アフリカの2カ国で法定通貨となった。
エルサルバドルは、すべての取引で米ドルと同様、暗号資産も使用できるようにすると発表。国際通貨基金(IMF)はその決定を覆すよう強く求めている。