ウクライナ東部の親ロシア派、兵力の半分失う=英国防省

DNR (Donetsk People's Republic) fighters take cover behind an abandoned tank on a frontline position in the centre of Mariupol, 27 March

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戦闘の前線で戦車の陰に隠れる、親ロシア派の「ドネツク人民共和国」戦闘員(3月27日、ウクライナ南東部マリウポリ)

イギリス国防省は22日、激しい戦闘が続くウクライナ東部ドネツク州にいるロシア軍と親ロシア派部隊について、多数の死傷者が出ているとの見方を示した。一方的に独立を宣言した親ロシア派地域、自称「ドネツク人民共和国」(DNR)の民兵だけだと、開戦当初の兵力の55%を失っていると推定している。

ロシアは侵攻開始後、自国の犠牲者の詳細を伏せてきた。DNRの人権オンブズマン、ダリア・モロゾワ氏は先週、ロシア兵2128人が死亡し、8897人が負傷したと発表した。また、民間人654人が犠牲になったとした。

親ロシア派部隊をめぐってはこの数カ月間、民間人が民兵に強制的に徴兵され、士気が下がっているとの報告があがっている。数十年前に使われなくなったライフルなど質の悪い武器を携行しているとの情報もある。

ウクライナ保安庁(SBU)は先月、民兵らが自らの置かれた状況を奴隷になぞらえ、脱走の準備を整えているとしていた。

DNRは今週、外国人の傭兵と1年契約を結び、自軍に参加させる計画を示した。

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予備部隊配備の可能性「非常に高い」

英国防省は、ロシア軍がドネツク州とルハンスク州からなるウクライナ東部ドンバス地方に大量の予備部隊を配備しようとしている可能性が非常に高いと指摘した。

ウクライナ側は、ロシア軍がドネツク州に隣接するルハンスク州全域を掌握し、同州リシチャンスク市を包囲することに注力しているとしている。

ルハンスク州のセルヒィ・ハイダイ知事は、リシチャンスク市で「とてつもない破壊行為」が起きていると述べた。

また、近隣のセヴェロドネツク市の状況は「地獄」だとした。いまも7000~8000人の市民が残されていると、市長は話しているという。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は毎晩定例の動画演説で、ルハンスクが現在最も厳しい状況に置かれているとしつつ、ロシア側は「ドネツク方面にも深刻な圧力をかけている」と述べた。

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アパートの中庭からがれきを取り除く住民(20日、ウクライナ・ドネツク)

ウクライナ南部ミコライウ州のヴィタリー・キム知事は、ロシア軍がミコライウ市に向けて7発のミサイルを発射したと発表した。死傷者の詳細は明かさなかった。

こうした中、ロシア・モスクワ市議会は22日、在ロシア・アメリカ大使館の住所を、「ボリショイ・デビャチンスキー通り」から「ドネツク人民共和国広場1」に変更したと発表した。