イランの女性たち、各地でスカーフ燃やし抗議 5夜連続でデモ

A woman stands on top of a car bonnet and sets her headscarf on fire on 19 September 2022 in central Tehran during protests for Mahsa Amini

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テヘランでの抗議デモで、スカーフを燃やす女性(19日)

イランで頭髪を覆うスカーフを適切に着けていなかったとして拘束された女性が死亡したことを受け、首都テヘランなどで20日、5夜連続となる抗議デモが実施された。女性たちがデモの先頭に立ってスカーフを燃やすなど、抗議は激しさを増している。

テヘランの北の都市サリでは、女性たちがスカーフに火をつけて抗議の意を示し、大群衆が声を張り上げた。

抗議デモは、いくつかの都市や町にも広がっている。

BBCの記者は、イランでの抗議行動の場面とされる複数の動画を、自らのツイッターアカウントに投稿した。ケルマン市の広場で20日夜に撮影されたとされる動画では、女性がスカーフを外し、自らの髪の毛を切っている。周囲の人々は「独裁者に死を」と声を上げている。

サリで撮影されたとされる別の動画では、女性たちが抗議行動として、自らのスカーフを燃やしている。

マシャ・アミニさん(22)は13日、女性に頭髪をスカーフで覆うよう定めた法律に違反したとして、テヘランで道徳警察に逮捕された。まもなくして勾留施設で意識不明に陥り、16日に病院で死亡した。

国連人権高等弁務官代理ナダ・アルナシフさんによると、アミニさんは警棒で頭をたたかれ、警察車両に頭を打ちつけられたとの報告が出ている。

警察は虐待行為を否定。アミニさんが「突然の心不全」を起こしたと述べている。アミニさんの家族は、彼女は健康だったとしている。

アミニさんの出身地の西部クルディスタン州では19日、デモ参加者たちに治安部隊が発砲し、3人が死亡した。

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マシャ・アミニさんは16日に病院で死亡した

国営メディアによると、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師の側近が19日、アミニさんの家族を訪ね、「侵害された権利を守るため、すべての機関が行動を取る」と伝えたいう。

一方、有力国会議員のジャラル・ラシディ・クーチさんは、道徳警察を公然と批判。これまでイランに「損失と損害」をもたらしただけで、その存在は「誤り」だと述べた。

警察が実弾を発砲か

イランのクルド人居住地域の人権を監視している団体Hengaw(本部ノルウェー)は、17~18日にクルディスタン州の州都サナンダジュとサケズであった抗議デモで、機動隊が実弾とゴム弾、催涙ガスを発射し、38人が負傷したと発表した。

同団体はまた、19日にはサケズなどで治安部隊との衝突が発生し、デモに参加していた男性3人が射殺されたと報告した。

インターネットに投稿された動画によると、テヘランでは女性たちがスカーフを脱いで、「独裁者に死を」と叫んだ。このかけ声は、最高指導者を指すことが多い。また、「正義、自由、ヒジャブ(スカーフ)の義務化に反対」と叫ぶ人もいた。北部ギラン州でも、抗議者たちと警察が衝突した

北部の都市ラシュトで19日夜にあった抗議行動に参加した女性は、機動隊に警棒やホースで殴られてできたあざを撮影したという写真を、BBCペルシャ語に送ってきた

この女性は、「(警察は)催涙ガスを発射し続けた」、「私たちは逃げていたが、私は追い詰められ、殴られた。警察は私を売春婦と呼び、自分を売るために路上に出ていると言った」と述べた。

「団結が素晴らしい」

中部の都市イスファハンで抗議した別の女性は、「私たちがスカーフを空に振っている間、他の男性に囲まれて守られていることに感激した。この団結が見られて素晴らしい気分だ。世界が私たちを支持することを願っている」と、BBCのアリ・ハメダニ記者に話した。

一方、テヘランのモフセン・マンスーリ知事は20日、抗議行動は「不安を引き起こすことを狙って全面的に組織された」とツイート。国営テレビは、アミニさんの死が、クルド人分離派と反体制派によって「口実」に利用されていると主張した

イランでは1979年のイスラム革命後、女性は「イスラム的な」控えめの衣服を着るよう法的に義務付けられている。実際には、全身を覆うチャドルか、頭髪を覆うスカーフと腕を隠すマントを着る必要がある。

近年では、ヒジャブ義務化への反対運動が何度か繰り返されてきた。特に、服装規定違反だとされた女性に対する道徳警察の厳しい取り締まりをきっかけに、ヒジャブ強制への反対が高まっている。