「ロシアに罰を」、ゼレンスキー氏が国連演説 「和平の条件」に特別法廷など提示

Delegates listen to a pre-recorded speech by Ukrainian President Volodymyr Zelensky during the 77th session of the United Nations General Assembly (UNGA) at U.N. headquarters on September 21, 2022 in New York City

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ウクライナのゼレンスキー大統領のビデオ演説は16日の国連総会で賛成101、反対7、棄権19で認められた。画像は21日のビデオ演説の様子(米ニューヨーク)

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は21日、米ニューヨークでの国連総会でビデオ演説し、ウクライナ侵攻を続けるロシアに罰を与えなければならないと訴えた。

ゼレンスキー大統領は軍事支援の強化や、国際的な場でロシアを罰することなどを含む、和平の条件を提示した。

事前収録したビデオ演説の冒頭では、ロシアが「違法な戦争」で「破滅的な混乱」をもたらしていると非難。

ウクライナの領土を奪い、何千もの人々を殺害したロシア政府の責任を追及するうえで役立つだろうとして、ロシアを裁く特別法廷の設置を求めた。

また、ロシアによる戦争犯罪疑惑についても詳述。ロシア軍から奪還したばかりの北東部の街イジュームで新たに445基の墓が見つかったと話した。

イジュームでは男性が性器を切除され殺害されたとし、「なぜロシア軍は去勢にこだわるのか」と問いかけた。

同じく21日には、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が予備役の「部分的な動員令」の発動を宣言し、ロシア各地で異例の抗議行動が起きた。

ゼレンスキー氏は、こうした動きは、敵が和平交渉に真剣に向き合っていないことを示していると指摘した。

ロシア軍の支配下にあるウクライナの4つの州が、ロシアへの編入の是非を問う緊急の「住民投票」を今月23日~27日に実施すると発表したことについても非難した。この「住民投票」計画をめぐっては20日の国連総会でも、西側の指導者たちから非難の声が上がっていた。

ゼレンスキー氏の演説に、多くの出席者からスタンディングオベーションが起こった。

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ゼレンスキー氏の演説にスタンディングオベーションが起こった

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和平のための「譲れない条件」

ゼレンスキー氏の演説には「罰」という言葉が15回ほど出てきた。これは和平実現のために同氏が示した5つの譲れない条件の1つ目だった。

ロシアは侵略行為に関して、さらなる制裁措置を科せられ、国連安保理の常任理事国としての強力な役割もはく奪されなければならないと、ゼレンスキー氏は述べた。

また、ウクライナ人の生命が守られ、国際的に承認された国境を尊重されることも必要だとした。

さらに、ウクライナ政府に新たな安全保障を与え、世界が団結してロシア政府の武力侵略を非難することを、4つ目と5つ目の条件とした。

ゼレンスキー氏のビデオ演説は、16日の国連総会で賛成101、反対7、棄権19で認められた。

その特徴的な緑色のTシャツを着たウクライナの指導者は、国連総会で直接ではなくビデオを通じて演説することを支持した101カ国に感謝を述べた。一方で反対票を投じたロシアなど7カ国を非難。紛争が起きている中で中立を保っている国々についても批判した。

ゼレンスキー氏はロシアが和平交渉に本腰を入れていないと指摘しているが、ウクライナとロシアは21日、大規模な捕虜交換を実施した。

外国籍の10人を含む兵士215人がウクライナ側に引き渡され、ロシアには兵士55人と親ロシア派のウクライナ人ヴィクトル・メドヴェチュク氏が引き渡された。メドヴェチュク氏はウクライナで国家反逆容疑で訴追されていた。