ブルース・ウィリスさん、認知症と診断 家族が公表

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2019年にニューヨーク・フィルム・フェスティバルに登場したブルース・ウィリスさん
米アクション映画「ダイ・ハード」シリーズの主人公ジョン・マクレーン役などで知られ、昨年に俳優業を引退したブルース・ウィリスさん(67)が、前頭側頭型認知症と診断されたことが明らかになった。家族が16日に公表した。
ウィリスさんは昨春、失語症と診断されたため俳優業を引退した。
ウィリスさんの家族はソーシャルメディアに声明を投稿し、「ようやく明確な診断が出て安堵しています」と述べた。
ウィリスさんの症状は失語症を発表した後に進行し、今回具体的な診断が出されたという。
家族は世界中からウィリスさん信じられないほどの愛を注いでいただいたことへの心からの感謝」を表した。
前頭側頭型認知症への認識高めたい
家族はまた、前頭側頭型認知症は60歳以下が発症する認知症の中で最も多いとし、「現在、この病気の治療法はなく、私たちは何年か先にこの現実が変わることを望んでいます」と述べた。
「ブルースは常に、自分の声を世の中に届けることが他者を助けることにつながると信じ、公的にも私的にも、重要な問題に対する意識を高めることにつながると信じていました」
家族は前頭側頭型認知症に関する認識が高まることを望んでいるとしている。
「ブルースがいま、もし自分で行動できるのなら、世界的注目を集めて、身体を衰弱させるこの病気と向き合っている人々とつながり、この病気が多くの人やその家族にどのような影響を与えるかを示すことで応えたいと考えるだろうということを、私たちは分かっています」
この声明は、妻エマ・ヘミング=ウィリスさんや元妻デミ・ムーアさん、3人の娘らが連名で出した。
脳障害患者のケアや研究に関する著名な運動家で米ジャーナリストのマリア・シュライヴァーさんは、「ブルース・ウィリス氏とそのご家族を気の毒に思うとともに、この病気に待ち望んでいた光を当ててくれたことに感謝します」とツイートした。
「誰かが名乗り出てくれることで私たち全員が助けられます。病気だと診断されることは非常に困難なことですが、ほとんどの人は診断を受けることで安堵するのです」
ウィリスさんは1980年代から90年代にかけて「ダイ・ハード」シリーズや「シックス・センス」、「アルマゲドン」、「パルプ・フィクション」などの大ヒット映画に出演し一躍有名になった。
ゴールデングローブ賞には5回ノミネートされ、「Moonlighting」で受賞。また、エミー賞には3回ノミネートされ、2度受賞している。
しかし昨年3月、家族は失語症によってウィリスさんの「認知能力に影響が出ている」ため、ウィリスさんが俳優業を諦めると述べていた。
俳優からメッセージ
米犯罪ドラマ「ブレイキング・バッド」に出演していた米俳優アーロン・ポールさんは、ウィリスさんは「とんでもないレジェンドだ」、「友よ、心から大好きだ!」と述べた。
米歌手で女優のクイーン・ラティファさんは、「神のご加護がありますように。私たちみんな、あなたのことが大好き!!幸運を祈ります。あなたとあなたの家族へ、あらゆるエンターテインメントを提供してくれてありがとう!!!」とインスタグラムに投稿した。
多発性硬化症を患う米女優セルマ・ブレアさんは、シンプルに「愛を送ります」と投稿した。
英国民保健サービス(NHS)のウェブサイトによると、前頭側頭型認知症は行動や言語に問題が生じる「めずらしい」病気の1つ。
動作が遅くなったり、動きが硬くなったり、筋力が低下するといった症状のほか、進行すると膀胱や腸のコントロールができなくなるという。