野球のWBC、イギリスが歴史的初勝利 コロンビアに逆転で

Harry Ford is presented with a crown and robe after scoring a home run in Great Britain's win over Colombia at the World Baseball Classic

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ハリー・フォード(右)はホームランを放ち、チームメートから王冠とローブが与えられた(13日)

開催中の野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に、イギリスが初出場している。アメリカでの1次ラウンドは負け続きだったが、13日のコロンビア戦で歴史的な初勝利を挙げた。

イギリスは第5回となる今回のWBCで、ヨーロッパでの予選を勝ち抜き、本大会デビューを果たした。イギリスでは野球の人気は低く、同国の世界ランキング(昨年末時点)は22位で、本大会出場20カ国中、中国(30位)に次いで低い。

本大会1次ラウンドはC組に入り、米アリゾナ州フィーニックスで5カ国による総当たり戦に臨んでいる。

11日に初戦を迎え、前回優勝のアメリカに2-6で敗退。翌12日のカナダ戦では8-18の大敗を喫した

しかし13日のコロンビアとの試合は、3点差のリードを許したものの、それをはね返し7-5で逆転勝利。イギリスとして初めてWBC本大会で勝利した。

イギリスは14日(日本時間15日)に最終メキシコ戦がある。C組で4位までに入れば、2026年に開催予定の次のWBC本大会への出場権を獲得する。

フォードが2日連続のホームラン

コロンビア戦は、4回表の時点で0-3と引き離されていた。

4回裏、イギリスは1点を返し、なお2アウト満塁のチャンス。ここでチャヴェス・ヤングが2点タイムリーを放ち、同点とした。

5回裏には、ジェイデン・ラッドが2塁打で走者2人を返し、5-3と逆転。7回裏には、米メジャーリーグのシアトル・マリナーズのキャンプに参加している20歳のハリー・フォードが2日連続でホームランを放つなどし、2点を加えてリードを広げた。

9回表の守備では、シンシナティ・レッズ所属の投手イアン・ジボーが2点を返されたものの、そのまま逃げ切り、歴史的な勝利を挙げた。

イギリスにルーツをもつ選手らで

イギリスの登録選手30人は、同国やカリブ海諸国にルーツをもつ選手と、イギリス生まれで他国で暮らす選手で構成されている。

WBC本大会への出場を果たしたことで、イギリスの野球運営組織は年間収入の6倍相当の金銭を得た。

組織側はこの資金を、国内での野球人気を高めるために活用する計画だ。国際オリンピック委員会(IOC)が2012年ロンドン大会を前に、野球を正式種目から除外したことを受け、イギリスでは主要スポーツ団体が野球組織への資金援助を打ち切っている。

野球は「アメリカの娯楽」として知られ、同国の社会や文化に深く浸透しているが、ルーツは1749年のイギリスにさかのぼるとされる。