暴風雨「キアラ」、イギリス全土で洪水など被害 交通にも影響

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Image caption イングランド南東部のイースト・サセックスでは、沿岸部を高波が襲った

イギリス全土を暴風雨「キアラ」が襲っている。気象庁は9日夜、イングランドととウェールズに大雨被害への「要準備」を意味する「褐色」の気象警報を発令した。特にウェールズでは風速40メートル以上の強い風が吹き、各地で洪水の被害が出ている。

電力会社によると、これまでに約67万5000世帯が停電。午後9時(日本時間10日午前6時)現在、約6万2000世帯で復旧作業が行われている。

気象庁は、沿岸地域の大波や、強風による落下物でけがをしないよう警告をしている。

また、空の便やフェリーで欠航が相次いでいるほか、鉄道各社も不要の外出を控えるよう呼びかけている。

暴風雨「キアラ」の影響は週末のイベントにも出ている。9日には、サッカー・プレミアリーグのマンチェスター・シティ対ウエスト・ハムの試合や、ラグビー・スーパーリーグの各試合が中止または延期となった。

暴風雨の規模は?

気象学者は、暴風雨「キアラ」は沿岸部だけでなく内陸部にも強風をもたらしているのが特徴だと指摘。イングランド中部のマンチェスター空港でも風速約38メートルを記録した。

また、イングランド北西部カンブリアのホニスター・パスでは、24時間で2月の平均降雨量の1.5倍に当たる177ミリの雨が降った。

「褐色」より一段階低い「黄色」の警報が出ているスコットランドでも、大雨でニス川の堤防が決壊するなどの被害が出ている。

これまでにイギリス全土で250以上の洪水警報が出されており、うち200以上がイングランドに集中している。

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Image caption イングランド中部ウエスト・ヨークシャーでは河川が氾濫し、家屋にも被害が出た
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Image caption イングランド南東部ケントでは、倒木で鉄道の運行に影響が出た

交通への影響は

ロンドン・ヒースロー空港は航空各社と協議し、直前に欠航となる便を減らすために減便措置を取ると発表。

ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)はヒースロー空港のほか、ガトウィック空港やロンドン・シティ空港でも運航を中止 し、 ヴァージン・アトランティック航空 もキャンセル便をウェブサイトで発表している。

こうした中BAは、暴風雨「キアラ」による追い風で、ニューヨーク発ロンドン着の便が史上最速記録を更新したと発表した。

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Image caption ロンドンから北に走る高速道路M1で横転したトラック

鉄道では9日、ネットワーク・レイルが最高時速を50キロに制限して運行し、乗客に対し「本当に重要な」旅行以外は控えるよう呼びかけた。また、イギリス全土で「旅行禁止」を呼びかける鉄道会社が相次いだ。

この日は洪水や線路上への落下物により、多くの路線で遅延や運休がみられた。

高速道路では強風を受け、橋を閉鎖する動きも出ている。また、フェリーも運休している。

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Image caption スコットランド・パースでは、強風でパブの屋根が吹き飛び、3人が軽傷を負った
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Image caption 大雨に見舞われたイングランド北西部カンブリア

暴風雨「キアラ」は10日にもイギリスを通り過ぎる予定だが、引き続き北アイルランドとスコットランドで強風が予想されている。

気象庁のアレックス・バーキル気象予報士は、「暴風雨『キアラ』は去っていくが、それで天候が落ち着くわけではない。引き続き不安定な状態が続く」と説明した。

気象庁は10日に入り、スコットランドと北アイルランドに強風と降雪で、イングランド北西部には雪と氷で、それぞれ「黄色」の警報を発令した。

さらに、イングランド南西部にも強風で「黄色」の警報が出された。

(英語記事 Floods and travel disruption as Storm Ciara hits