ジェニファー・ローレンスさん、ハリウッドの女性差別を批判

Jennifer Lawrence

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ジェニファー・ローレンスさん

米女優ジェニファー・ローレンスさんは、男性共演者よりも出演料が低いなどハリウッドに根強い女性差別に怒るエッセーを発表した。女優で作家のリーナ・ダナムさんのサイトに寄稿し、「自分の意見をどうやったら『愛らしく』表現して、嫌われないようにするか工夫するのはもう止め!」と書いた。

ローレンスさんはソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントの社内メールがハッキングで流出した昨年11月、自分の出演料が男性共演者よりもかなり低いと初めて知ったと書き、「ソニーに怒ったのではなく、自分に腹が立った。さっさと諦めてしまったので、交渉の当事者としてダメだったということになる」と続けた。

ソニー・ピクチャーズのメール流出は大きな話題となり、映画「アメリカン・ハッスル」に出演したジェニファー・ローレンスさんやエイミー・アダムズさんの出演料が、男性共演者のよりもかなり安かったというエイミー・パスカル共同会長(当時)のメールも注目を集めた。

ローレンスさんは自分がなぜこれまで出演料交渉で増額を強く主張してこなかったか、エッセーでさらに説明。「とことん粘らないで合意した裏に、好かれたいと思う要素がなかったと言ったら、嘘になる。『扱いにくい』とか『わがまま』と思われたくなかったのだ」。

「当時はそれでいいと思っていた。けれどもインターネットで出演料一覧を見て、男性共演者は誰ひとりとして『扱いにくい』とか『わがまま』とか思われたらどうしようなど、心配していなかった」

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ジェニファー・ローレンスさん(左)は映画「アメリカン・ハッスル」に出演し、アカデミー賞にノミネートされた

ローレンスさんは、ハリウッドで女性としてどう扱われているかについても書いている。

「男性たちが1日中、自分の意見を主張するのを、私はいつも見聞きしている。でもまったく同じ態度で私が自分の意見を言おうものなら、何かとんでもなく失礼なことを言ったみたいな反応が返ってくる」

「自分の意見をどうやったら『愛らしく』表現して、嫌われないようにするか工夫するのはもう止め!」

ソニー・ピクチャーズから流出したメールの中には、男性の映画プロデューサーが女優アンジェリーナ・ジョリーさんを「わがままなガキ」と呼ぶ内容も含まれていた。

ローレンスさんはエッセーでこれに言及し、自分自身の経験からも驚かなかったと書き、「男性についてそういう言い方をするとは、なぜかとても思えない」と結んでいる。

メリル・ストリープでさえ

史上最多のアカデミー賞ノミネートを受けハリウッドで最も成功している俳優のひとり、メリル・ストリープさんも、男性共演者より出演料が少なかったことがあると明らかにし、米映画産業の女性差別を批判している。

20世紀初頭イギリスの女性参政権運動を描く映画「サフラジェット」のロンドン・プレミアに先立ちBBCの取材を受けたストリープさんは、米映画業界で製作や配給に決定権を持つ重役たちは全員男性だと指摘。男性が選ぶ映画ばかりが多くの大型映画館で配給されれば当然、男性重役たちの好みを反映した映画が興行収入ランキングで上位に入り、出演する男性俳優たちの出演料に反映されていくのは必然的だと述べた。

「サフラジェット」をプレミア上映したロンドン映画祭が主催したメディアとジェンダーに関するシンポジウムには、映画「テルマ&ルイーズ」などで知られる女優ジーナ・デイビスさんが出席。デイビスさんはテレビや映画にやりがいのある女性の役がもっと必要だと呼びかけた。

「私たちは無意識に何世代にもわたって、男女は平等ではないという意識を植え付けている。もう21世紀なのだから、男の子も女の子も砂場で平等に遊ぶべきだと見せて教えるべきではないだろうか?」とデイビスさんは話した。