【パリ連続襲撃】ライブ襲われた歌手、再開バタクランで最初に演奏したいと

イーグルス・オブ・デス・メタル

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イーグルス・オブ・デス・メタル

パリ連続襲撃で89人の犠牲者が出たバタクラン・コンサート・ホールでは当時、米バンド「イーグルス・オブ・デス・メタル」が演奏していた。バンドの歌手は、バタクランが再開する時には自分たちが真っ先に出演したいと話している。

オンラインメディア「VICE」のインタビューで、歌手ジェシー・ヒューズさんは「できるだけ早くパリに戻って演奏したい」と話した。

襲撃の夜バタクランで何があったのか、バンドメンバーは詳しく話している。

ヒューズさんは脱出しようとする際に銃撃犯のひとりと真正面から向き合ったという。

「銃撃犯を見たんだ。こちらを向いて僕に向かって発砲したんだけど、ドアの枠にあたったんだ」

ヒューズさんはインタビューで涙ながらに、「バタクランがまた開いたら、真っ先に演奏したい」と話した。

バンドのメンバーは全員無事だった。

ギターのイーデン・ガリンドさんは、銃声を最初に聞いた時は音響システムが「バチバチ」鳴っているのだと思ったが、「けっこうすぐ」そうではないと気づいたと話した。

「ジェシーがこっちに走ってきて、2人で隅に移動した。自分たちが狙われているのか分からなかった」

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VICEのインタビューに答えるイーグルス・オブ・デス・メタル

ベースのマット・マクジャンキンスさんは、逃げようとしていたファン数人と一緒に部屋に閉じ込められていたと話す。

「部屋にたどりつくと、撃たれて血を流している人たちが何人かいた。椅子と小型冷蔵庫でドアにバリケードを作った。誰かがシャンペンのビンを置いて行ったので、(略)武器にできたかもしれない」

部屋には撃たれてい血を流している女性がいた。

「男の人が彼女を支えて、傷口を抑えていた。介抱しようとしていたんだけど、血がどんどん床に流れ出していた」

発砲は10~15分続き、自分たちの隠れていた部屋に次第に銃声が近づいてきたという。

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そうしているとやがて大きな爆発で部屋全体が揺れたという。銃撃犯のひとりの自爆ベルトが爆発した音だった。

ドラムスのジュリアン・ドリオさんは、最初の頃の発砲の勢いはあまりにすさまじく、自分はすぐに床に倒れたと話した。

「火薬の匂いがすごかった。前の方に男が2人いて、観客を容赦なく撃ちまくってた。僕は床に顎をつけたまま、ステージの脇に這っていった」

イーグルス・オブ・デス・メタルはヒューズさんとジョシュア・ホムさんが1998年に作ったバンドだ。

ホムさんはパリのライブにはいなかったが、VICEのシェイン・スミス記者に、当日夜に受け取ったメールの一文を紹介した。

「みんな撃たれた。人質をとられた。自分も血まみれだ」という内容だった。

バタクラン・ホールで犠牲になった89人の中には、英エセックス州コルチェスター出身のニック・アレクサンダーさんがいた。26歳のアレクサンダーさんは、会場内でバンドのTシャツを販売していた。

現場ではほかに99人が重傷を負った。