エリザベス英女王、90歳の記念に孫やひ孫たちと写真

英国のエリザベス女王は21日、90歳の誕生日を迎えた。英王室は20日、孫やひ孫に囲まれた女王の写真を公開した。著名人の撮影で有名な写真家アニー・リーボビッツさんによる3連作の1枚。また21日には、チャールズ皇太子が女王を称えるシェイクスピアのセリフを朗読するビデオがBBCで放送された。

エリザベス女王のツイッター公式アカウントは、ハッシュタグ「#HappyBirthdayYourMajesty」を使ったお祝いメッセージを送った人たちに謝意をツイートした。さらに公式アカウントで女王は、「同じように90歳の誕生日を祝っている人たちにお祝いを申し上げます。同じ日に祝っている皆さんに、温かい気持ちでおめでとうございますとお伝えします」とツイートした。

若い王族に囲まれた女王の写真は、3月末の復活祭から間もない時期に、ウィンザー城で撮影された。女王は生後11カ月のひ孫、シャーロット王女を膝に抱いている。ほかには2歳になるひ孫のジョージ王子や、女王の有名な黒いハンドバッグを両手に持つ2歳のミア・ティンドルさん（孫ザラ・フィリップスさんの娘）、5歳のサバンナ・フィリップスさんと3歳のアイラ・フィリップスさん（孫ピーター・フィリップスさんの子供）と、合わせて5人のひ孫が女王を囲んだ。

そのほか、女王の8人の孫のうち最も若い、セバーン子爵ジェイムズ殿下とレディ・ルイーズ・ウィンザー（エドワード王子ウェセックス伯夫妻の子供たち）も写真に並んだ。

リーボビッツさんはほかに、愛犬4匹を連れてウィンザー城の敷地内を歩く女王の姿や、娘のアン王女と共に座る様子を撮影した。

チャールズ皇太子はシェイクスピア作「ヘンリー8世」から、カンタベリー大司教トマス・クランマーが国王ヘンリー8世を前に、幼いエリザベス王女（後のエリザベス1世）がいずれ善政を行う優れた君主となるだろうと語る台詞を朗読した。朗読ビデオはBBCが放送した。

キャメロン首相は女王について、「この国を支える力強い礎」だと称えた。

21日には、女王はウィンザー城の周辺を散策し、市内の名所63カ所をつなぐ6.3キロの「女王の散歩道」の記念碑をお披露目した。「63」という数字は昨年9月9日に女王がビクトリア女王の記録を抜いて在位期間最長（63年7カ月）の英国君主となったことを記念するもの。市内では、BBCの人気ケーキ作り番組で優勝したナディヤ・フセインさんが作ったオレンジとバタークリームとマーマレードのバースデーケーキを女王にプレゼントした。

正午にはロンドン塔、エジンバラ城など英国各地で21回の祝砲が鳴らされ、議会ではキャメロン首相を筆頭に祝賀演説が続いた。夜には、英国内外900カ所以上に設置された記念のたいまつの最初を女王がともす。

22日にはオバマ米大統領夫妻がウィンザー城を訪れ、女王と昼食を共にする。

英国では毎年、実際の誕生日の4月21日と公式誕生日（6月の土曜日）の2回、女王の生誕を祝う。今年の公式誕生日は6月11日で、90歳の記念に10～12日にかけて英国中で様々な祝賀行事が開かれる予定。なかでもバッキンガム宮殿前の大通り「ザ・マル」で開かれる予定の、1万人を招いた巨大な誕生日パーティーが注目を集めている。

エリザベス2世の90年

・女王は結婚68年を迎える。英国君主として最も長い結婚生活を送ってきた。

・1953年6月2日の戴冠式はテレビ中継され、英国では2000万人が見守った。英国王の戴冠式がテレビ中継されるのはこれが初めてだった。

・在位63年の間に就任した総理大臣は12人、カンタベリー大主教は7人、ローマ法王は7人。

・公式肖像画は130枚。

・女王としてこれまで117カ国を訪問し、約2億キロを移動している。

・2012年に即位60周年を祝う2人目の英国君主となり、2015年には在位期間が最も長い英国君主となった。

（英語記事　Queen has been 'rock of strength for our nation', says PM）