リオ五輪について知っておきたいこと(そうでないことも)

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リオの海岸で
再びオリンピックが始まった。2012年のロンドン大会に続き、今年はリオデジャネイロだ。
これから数週間、ほかのことは全て後回しにしよう。いつもは見過ごしてしまうような種目についても、にわかファンになるのが、オリンピックだ。
リオ五輪について知っておくべきことすべてを、ご紹介しよう。
会期は?
競技は8月5日から21日まで。ただし、厳密には8月3日に行われた女子サッカー予選リーグ戦のスウェーデン対南アフリカで、競技は始まっている。
競技はリオの32カ所で行われるほか、サッカーの試合は、ベロオリゾンテ、ブラジリア、マナウス、サルバドール、サンパウロのブラジル各都市で開かれる。
注目競技は?
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グレコローマンスタイルのレスリング競技(写真は2012年のロンドン大会)
シンクロナイズドスイミングが好みなら、14日の現地時間午前11時(日本時間同午後11時)に競技は始まる。同じ日には、レスリングのグレコローマンスタイルの決勝があるので、そういう選択肢もある。
いつもながら、陸上競技は注目の的だ。競技は12日に始まり、五輪最終日の21日に行われる男子マラソンまで続く。
中でも注目の男子100メートル走決勝は、14日の午後10時25分(日本時間15日午前10時25分)、女子100メートル走は13日の午後10時35分に行われる。
リオは準備できている?
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マラカナン競技場の外観(先月31日)
どうだろう……競技は始まっているので、それは良いしるしだ。
どの五輪でもそうだが、大会開幕まで問題は尽きなかった。競技場が完成していないと心配する声も多かった。間に合わなかったものもあるが、深刻な問題はない。
選手村の施設に苦情を申し立てていたオーストラリア選手団も、最終的には入村した。
一方で、セーリング会場の海に入るスロープが先週末、強い波で破損したため、修理作業中だ。
開催国ブラジルでは何が起きている?
弾劾裁判の決定で、職務が停止されているルセフ大統領は、開会式に出席しなかった。大統領に対しては、政府予算を不正操作した容疑がかけられているが、大統領は否定している。
テメル大統領代行は、ルセフ氏には、自分の席の下に設けるスタンドで開会式を見てもらうと述べたが、ルセフ氏は受け入れなかった。
リオは安全?
リオ当局は、水上競技会場の水質を改善する約束は守れなかったと認めている。しかし英国選手団は、問題はまだ起きていないと話している。
中国国営メディアは、中国選手団の女子フェンシング選手が強盗にあったり、射撃の選手がクレジットカード詐欺被害にあったと伝えている。
中国外務省は、リオを訪れる中国人の観光客に対し、「危険」地域に行かないよう警告している。また、陸上競技のハードル選手が詐欺事件の被害に遭ったことから、中国選手団の安全確保措置を強化すると約束した。
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ジャマイカのボルト選手はリオで最も危険だとされる地域の子どもたちと交流した(今月2日)
ジカウイルスは?
蚊が媒介となり、赤ちゃんが発育不全になる可能性があるジカ熱の流行の中心地はブラジルだ。
事態の深刻さに鑑み、世界保健機関(WHO)は妊婦に対し、リオ五輪の現地観戦を避けるよう勧告した。ただしWHOは6月、大会開催時期の8月には蚊は減少するため、大会の延期・中止はすべきでないとした。
すべての人が賛成しているわけではない。例えば、英オックスフォード大学や米ハーバード大学などの150人の科学者、医師、医学倫理学者が署名したWHOあての公開書簡は、大会開催は倫理にもとると指摘している。多くの有名ゴルフ選手も棄権を表明している。
大会マスコットはどんな見た目?
待って。まだもっと大切なことが残っているので、そのあとで。
ロシア選手は参加できるの?
はい、一部は。
国際オリンピック委員会(IOC)は4日、国ぐるみのドーピング違反の疑いがかけられているロシア選手団について、当初出場する予定だった389人のうち271人の参加を認めると発表した。全員の参加資格を停止すべきだと批判する声も出ている。
難民は参加できるの?
はい。IOCは今年3月、難民選手団の参加を認めると発表。IOCは、「我々の世界の難民すべてに希望のメッセージを伝えるため」だとした。
リオ五輪で10人の選手が難民選手団メンバーとして参加する。女子競泳のユスラ・マルディニ選手(シリア出身)などだ。
(ところでシリアも7人の選手団をリオに送っている)
パラリンピックはいつから?
9月7日から18日まで開かれる。
大会中のリオの気候は?
リオは南半球にあるので、いまは冬。それでも日差しはたくさんあるだろう。大会1週目は最高気温が27度まで上がるとの予報が出ている。悪くない。
それで、どんなマスコットなの?
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こちらは、ビニシウス。ブラジルに生息する動物を掛け合わせたものだそう。名前は、1980年に死去したブラジルの詩人で、ボサノバの名曲「イパネマの娘」の作詞家としても知られるビニシウス・デ・モラエスから取られた。
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こちらはトム。パラリンピックのマスコットで、「イパネマの娘」を作曲したアントニオ・カルロス・ジョビンの別名「トム」から取られた。トムはブラジルの植物や動物を表しているという。
だけど、27度の暑さのなか、着ぐるみの中で頑張る人はちょっと気の毒だ……。