89歳でアイスキャンディー行商 支援に2000万円ネット募金集まる

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サンチェスさんが押す台車にはお客の注意をひくためのべルが付けられている
米イリノイ州シカゴでアイスキャンディーを売り歩く89歳のお年寄りを援助しようと、インターネット上で募金の呼びかけが行われ、数日間で20万ドル(約2040万円)以上が集まった。
アイスキャンディーの台車を前かがみになって押す様子が、いかにも大変そうなのに心を打たれた匿名の人物が、募金を開始した。ネット上で出資を募るクラウドファンディング・サイト「ゴーファンドミー」でページを設置したところ、予想以上の反応があったという。
フィデンシオ・サンチェスさんが行商を始めたのは、23年前の夏のことだ。仕事から引退してわずか2カ月の7月にひとり娘が死亡。孫たちを引き取ることになった。
その夏には、妻が体調を崩してアイスキャンディーの行商を止めていた。サンチェスさんは、代わりに自分が行商を続けることを決意した。
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「けさはフィデンシオ・サンチェスさんの話に心が温められた。最近暗い話が多いシカゴで、とても前向き」というツイート
「これからどうしようって考えたんです。生活するお金が必要だし」。スペイン語を話すサンチェスさんは、米ABCニュースとのインタビューで通訳を介してこう語った。
サンチェスさんは、「朝早く起きて1日中、夜8時まで(働く)」と話した。
通りすがりにサンチェスさんに出会ったジョール・サーバンテス・マシアスさんは、サンチェスさんの勤勉ぶりに感動し、今月9日にゴーファンドミーのページを立ち上げた。ページには、「本当なら引退生活を楽しんでいるべきこの人の姿を見て、胸が押しつぶされた」と書き込んだ。
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「89歳! 働きゃいけないと分かっているから働く。だけどフィデンシオ・サンチェスさん、やっと休暇を取れるね」というツイートした
メキシコ料理店を経営するマシアスさんは、50ドルを出してサンチェスさんからアイスキャンディー20本を買い求めたという。
車でその場を去った後、マシアスさんはサンチェスさんの写真をフェイスブックに投稿し、「この人を最高に尊敬する!」とのコメントを付けた。
写真は大きな反響を呼んだ。
マシアスさんは募金のページを作ることにし、サンチェスさんのために3000ドル集めようと考えた。目標額に達したのは、ページ開設から1時間足らずだった。
12日朝までには20万1000ドル以上が集まった。
予想外の支援を得たサンチェスさんだが、仕事を止める予定はないという。