これはトム・ハンクス? それともビル・マーレイ? 写真にまた混乱

画像提供, Reasons My Son Is Crying
これはトム・ハンクス? それともビル・マーレイ? ひとつの写真をめぐり、インターネット上の声が混乱を極めている。正解は出ているのだが、それでもネット市民の当惑は収まらない。
正解は2013年から明らかだった。写真がフェイスブックの「うちの息子が泣いてる理由」というページに投稿されたその時点から。
絶対にトム・ハンクスじゃない
写真を投稿したローラ・ディミシェル・ロスさんに、今度こそ真実を教えてくださいと、あらためて尋ねてみた。写真の真ん中で泣き叫んでいるアレキサンダー君は、ローラさんの息子だ。
「間違いなく、ビルです」というのが、答えだった。
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「間違いなくビルです。保証します。なぜ断言できるかというと、大笑いしながら『最高の写真になる―!』と思っているのは、私なので」とローラ・ディミシェル・ロスさん
撮影したのは夫アダムさん。2012年10月に英セントアンドリュースで開かれたアルフレッド・ダンヒル・リンクス・ゴルフ大会での一幕だという。
「ビルの後をついて移動すると面白いので。冗談ばかり言ってるし、ファンと写真を撮ってくれるから」とローラさんは状況を説明する。
「息子はビルを一目見て、大泣きし始めたんです」
ただし「泣いてなくてふつうにニコニコしてる写真」もこの日に撮れたのだとか。
画像提供, Laura DiMichele-Ross
ローラさんは写真についてフェイスブックに「最高。この子の未来の彼女に真っ先にこれを見せるつもり。ビル・マーレイが誰か知らない子にはさようならだな」と投稿した。
撮影当時、アレキサンダー君は生後8カ月だった。4歳半になった今、映画「ゴーストバスターズ」は大好きだが、「まだビルが誰か分かってない」とローラさんは話す。
アレキサンダー君は幸い、自分がインターネットの人気画像だということも分かっていない。もっともローラさんは、理解できる年齢になったら「ネット上の安全」などに関する自由研究のテーマにしてもらうつもりだと話す。
写真に写っているのがトム・ハンクスではなくビル・マーレイだという証拠として、ローラさんはさらに、2014年に再会した際にもらったサインも見せてくれた。
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ビル・マーレイのサインが入ったビル・マーレイの写真
BBCが事実関係を確認するには通常、2つの情報源が必要なので、トム・ハンクスのツイッター・アカウントにも「このオレンジ色の上着の男性はあなたじゃないと確認できますか?」とメッセージを送っておいた。
どうやって拡散したのか(あらためて)
撮影後、この写真はまず地元紙パースシャー・アドバイザーの一面に掲載された。ローラさんはローラさんで、複数の友人に送り共有した。けれども2013年5月にフェイスブックに投稿して以来、数か月おきにあらためて別の人が共有して、それがまた広く共有されるという流れが続いている。学校卒業以来会っていない同窓生にも、そうやって次々と声をかけられているという。
米CBSテレビを通じて人気女優コートニー・コックスが連絡してきたことで、さらに爆発的に写真は広く知られるようになった。
「『フレンズ』のコートニー・コックスのふりをしてる人だと思ったので、最初は無視していたのだけど。『トゥデイ・ショー』の番組公式ページに写真が載って、そこでまた一気に広まったんです」とローラさん。NBCに連絡を取り直している最中だという。
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『トゥデイ・ショー』の番組公式フェイスブックページでは「あの白と金のドレス以来、こんなに困惑したのは初めて」と書かれた
その他の大事なこと
ローラさんのお気に入りのビル・マーレイ映画は、「ゴーストバスターズ」と「ロスト・イン・トランスレーション」。
写真には大量のコメントがついたが、なかでも「絶対にトム・ハンクス。だって一緒に写ってるのは奥さんだから」というコメントがお気に入りだという。
トム・ハンクスに会ったことは? 「ないけれども、ぜひ会ってみたい。彼も伝説的な存在だから」
ビル・マーレイとトム・ハンクスの見分け方
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・ビル・マーレイ、66歳
・出演作 「ゴーストバスターズ」「Groundhog Day」(邦題「恋はデジャブ」)、「ロスト・イン・トランスレーション」など
・特徴 いじけた犬のような表情、むっつりした態度、口数は少ない
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・トム・ハンクス、60歳
・出演作「スプラッシュ」「プライベート・ライアン」「フォレスト・ガンプ」「ダビンチ・コード」など
・特徴 これぞアメリカ人、親しみやすい少年ぽさ
・2013年5月には、ブロードウェイで舞台出演中だった
とりあえずこれで、この写真については一件落着だと思いたい。2015年2月にインターネットがパンクしかかったあの「このドレスは何色?」問題ほどの騒ぎにはならないよう願いたい。
(アレックス・マリー、BBCソーシャルニュース・チーム)