14歳少女の25%に「うつの兆候」 英国

ミシェル・ロバーツヘルス担当編集長

teenage girl with her mum Image copyright Getty Images

英国の研究で、14歳の少女の4分の1と、14歳の少年のおよそ10人に1人に鬱(うつ)の兆候があるという結果が示された。

英政府が出資した「ミレニアム世代集団調査」が、10代の若者1万人以上を対象にうつの兆候の有無を調べたところ、家庭の経済状態や人種が影響していることも分かった。

調査によると、経済的に困窮している14歳の子供たちは、裕福な家庭の同世代の子供より鬱の症状を訴えることが多い。

また、複数の人種からなる家庭や、白人家庭の子供の方が、鬱になりやすい傾向も明らかになった。

ただし、子供たちの親を調査したところ、自分の子供が実際何を不安に思ったり悩んだりしているのか、本当の意味で気づいている保護者が少ないことも分かった。

親は多くの場合、娘が抱えているストレスを軽視する一方で、息子の場合は本人が口にしない問題について心配していた。

調査を主導したリバプール大学のプラビーサ・パタレー博士は、今の10代の若者のうち、特に今の10代の少女は、これまでの世代よりも精神衛生的につらい状況にあることが多いと話す。ただし、今回の調査ではこの点については調べていない。

10代の若者のストレス要因としては、学校の試験、容姿のイメージなど、様々な要因が考えられる。しかし同時に、心の問題を以前より認めて受け入れるよう社会全体が変化したことも、鬱の症状を認める子供の増加と関係している可能性もあるという。

ミレニアム世代集団調査によると――、

  • 10代少女は少年に比べて、落ち込みやすく鬱(うつ)の症状を訴えることが多い
  • 社会経済的に、より困窮した状況にある14歳の子供は、裕福な家庭の同世代の子供より鬱の症状を訴えることが多い
  • 混血家庭や白人家庭の少女は深刻な鬱の症状を訴えることが多い
  • 黒人のアフリカ系少女は、この年齢では深刻な鬱の症状を訴える確率が最も低い
  • 少年の場合、混血家庭や少数民族出身の少年の方が鬱状態になるリスクが最も高い
  • バングラデシュ系とインド系の少年たちが、鬱の症状を訴える確率が最も低い
  • 感情面での症状について、14歳本人の自己申告と親の報告内容は、あまり一致しない

成人の精神疾患の発症件数のうち半分は14歳までに発症している。そのため、初期の診断および治療が重要となる。

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専門的な対応の需要は高まっている。しかし、子供や若者を専門とする精神医療スタッフの対応能力は限界を超えている。今回の調査結果を発表した国立児童局によると、他の医師から紹介されてくる若い患者の4分の1近くを、断るしかない状態だという。

国立児童局のアナ・フォイヒトワング最高責任者は、「14歳少女の4分の1が鬱の症状を示している以上、危機的な局面を迎えた問題だというのは間違いない」と話す。

「困ったことに、自分の娘が精神衛生上何を必要としているか、親が事態を軽く見ている可能性があるという証拠が示されている」

「その反対に、男子の場合は本人が何も言わなくても、親が子供の状態に気づいている可能性があります」

「子供と親がどちらも、早期に疾患を特定し、専門家の支援を受ける機会を最大限にするよう、声を上げていくことが重要です」

若者の心の健康を扱う慈善団体「ヤング・マインズ」のマーク・ブッシュ医師は、「10代の少女は、学校でのストレス、自分の外見に関する問題、いじめ、ソーシャルメディアからの圧力など、非常に多くのプレッシャーに直面している」と話す。

「親しい人との死別や家庭内暴力、ネグレクトなど、子供時代のつらい体験もまた、多くの場合は数年後に、深刻な影響を与える可能性がある」

「さらに悪いことに、自分の状況に対応できず苦しんでいる10代の子供が、適切な支援を得るのは、時に非常に難しい」

「だからこそ、精神衛生の専門機関が早期に介入できるよう、適正な資金援助を提供することが非常に重要だ」

鬱の兆候

  • 無気力や悲しい気持ちが続く
  • 希望がなく、無力と感じる
  • 自尊心が低い
  • 泣きたくなる
  • 自責の念にかられる
  • イライラして他人に否定的になる
  • 目的意識が持てず、何にも興味が持てない
  • なかなか決心できない
  • 人生が楽しいと思えない
  • 心配や不安を感じる
  • 自殺したい、自傷行為をしたいと思う
Image copyright Catherine Perrin-Griffiths
Image caption キャサリン・ペリン=グリフィススさん

看護実習生のキャット・ペリン さん(20)は、10代の頃から心の問題を抱えていた。

「14歳の時、すごく落ち込んでいました。ちょっと絶望的になったと言うか……自分で自分を孤立させた感じでした」

「もっとちゃんとしないと、もっとがんばらないとって、いつもプレッシャーを感じていました。気すごく落ち込んで、不安でした」

「家を出るのも、人と話すのも、少し怖くなりました」

15歳の時、不安と鬱の症状を指摘されたが、助けを求めたのは18歳になってからだった。

入院し、最終的に精神状態は改善した。しかしもっと早くに助けを求めれば良かったのにと思っている。

キャットさんは、10代の子供たちが心の問題で苦しんでいるのは、ソーシャルメディアの影響だと考えている。

「こんなにたくさんの人が自分より優れているとか、自分よりきれいだとか、見せつけられるのは、すごいプレッシャーです」

「学校の成績が良くないとだめだ、ちゃんと就職しないとだめだ、経済的に安定しないとだめだ……って。でも結局のところ、みんなまだ、ただの子供なんです」

(英語記事 Quarter of 14-year-old girls 'have signs of depression'

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