【フロリダ高校乱射】「もう二度と」 米国の若者立ち上がる

ケリー・リー・クーパー記者BBCニュース

Collage of advocates and Parkland survivors in a collage image Image copyright AFP/Getty/Supplied

フロリダ州ブラワード郡パークランドにあるマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の生徒たちは、乱射事件に備えて訓練をしっかりと受けていた。緊急時の避難訓練を重ね、セキュリティーもあり、学校への出入りは制限されていた。それでもバレンタインデー当日、銃撃犯はたった1人で17人も殺害することができた。

事件を受けて、生き残った生徒たちを始め全米各地の若者が、「学校で乱射事件が起きる」のは「新しい常識」なのだといわれる現実に反発している。まだ投票年齢に達していない子供も含め、10代の若者が次々と草の根活動家となった。ソーシャルメディアは考えや活動を広めるため道具になった。

銃規制を呼びかける若者たちの主張は、これまでも悲劇が起きるたびに繰り返されてきたものだ。しかし、公の場で声高に主張する生徒たちは大人びて、その主張はしっかりとしていて、かつ激しい。それがこれまでとは違うという意見が、ソーシャルメディアで多くみられる。

今回の事件を生き延びたアレックス・ウィンドさんはBBCに対し「(小学校で乱射事件があったコネチカット州)ニュータウンの子供たちは、あまりにも小さくて、活動しようにも立ち上がれなかった。でも信じて。僕たちが変化をもたらすから」と述べた。

14日の事件の最中、自分たちの学内で銃声が響き渡る間、ウィンドさんは1時間半にわたって暗闇で60人の他の生徒たちと身を寄せ合っていた。

事件後、ウィンドさんは直ちに4人の友人と「Never Again(もう二度と)」運動を立ち上げた。十数人が活発に関わり、米国のケーブルテレビ各局を回り、生き残った自分たちは引き下がらないというメッセージを広めている。

Image copyright Alex Wind/Never Again

ウィンドさんは「19歳は酒を買えないのに、AR-15(半自動小銃)は店先で買えるなんて本当におかしい。AR-15は戦争の武器、紛れもない大量破壊兵器なのに」と言う。

「自宅や家族を守るために、こんなもの必要ない。商品として民間で売るなんてまったく狂ってる」

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「もう二度と」運動では来月24日、銃暴力対策を掲げる市民団体「Everytown for Gun Safety」と共同で、銃規制の議論で子供たちの命を優先させるよう呼びかける「March for Our Lives(私たちの命のために行進しよう)」抗議集会を行うと発表した

事件を経験したキャメロン・キャスキーさん(17)は、政治家たちが銃擁護の圧力団体から献金を受けるのは「恥のしるしなんだという、新しい常識を作る」ことが、運動の目的だと話した。

キャスキーさんは米CNNに対し「現職の政治家に伝えたい。僕たちの側に立つか、反対するか。どちらかしかない。大人たちが適当にふざけてる間に、僕たちは命を落としているんだ」と述べた。

僕たちに賛成するか、反対するかのどちらかです。大人たちが遊びまわっている間に、僕たちは命を失っているんです」

この団体は全米の若者に抗議に参加するよう、ソーシャルメディアなどを通じて広く呼びかけている。

7歳から乱射避難訓練

コネチカット州在住のレイン・マードックさん(15)はフロリダ州の事件を受けて、変化を実現するために動こうと思い立った。

マードックさんは、「ニュースを見たとき、普通のことに思えたのが何より悲しかった」とBBCに話した。

Image copyright Lane Murdock

「私は乱射事件が起きたサンディ・フック小学校がある、コネチカット州出身。これまでずっと、こういう現実に囲まれてきた」

マードックさんは米国の多くの生徒と同じように、小学生の頃から銃撃に備えて避難訓練を経験してきた。最初の避難訓練は7歳の時だったという。

「先生たちが教室の照明を消してブラインドをおろして扉を施錠するなか、一番安全な場所に隠れて、体育座りで身を寄せ合った」

マードックさんは13人が殺害されたコロラド州のコロンバイン高校乱射事件から19年目の今年4月に、全米規模の抗議イベントを思いついた。学校校内で生徒が無差別に殺され続けるのに抗議して、校舎の外に出て抗議するというものだ。

マードックさんがネット上で運動を呼びかけたところ、数日で瞬く間に大勢のフォロワーと署名が集まった。

ジャーナリスト希望だというマードックさんは、当日のすべてのストライキ行動がまとまって効果的なものになるよう、全米の銃規制支援団体と連携をとり始めている。

母親のバリさんは娘の行動を、「自慢なんてものじゃないくらい誇らしい」と話す。

「もし何かが変わるのなら、それは若い人たち次第です。私たち大人は子供の助けになっていない。運動がうまくいくよう願っています」

14日の高校乱射現場から遠く離れた場所に住む別の生徒、バイオレット・マッシー・ベレカーさん(16)は、銃規制改革の議論が注目を集めるように、独自の挑戦的なアイディアを思いついた。

ハッシュタグ「#Me too(私も)」を使った動きが広がりを見せたことに発想を得たバイオレットさんは、「#MeNext?(次は私?)」を使い始めた。米国の生徒が直面する現実と、親の不安を、このハッシュタグで表現しようとしている。

Image copyright Deborah Lowery

バイオレットさんはほかの生徒や地元の保護者たちと「#MeNext?」と書かれた紙を手に、自分が通うニューヨーク州ペラムの高校の外に立った。

「怖ろしいけど力強いメッセージが伝わってくると、たくさんの人たちに言ってもらえました」とバイオレットさんはBBCに話した。

バイオレットさんの通う高校ではフロリダでの乱射事件後に特別集会があり、校長が避難訓練について手順を確認する講義をしたという。

「『わが校では何も起こらないと保証したいけれど、それはできない』と校長先生は言いました」

ソーシャルメディアでの運動に同調する人たちは、自分や子供が「#MeNext?」と書かれた紙を掲げる写真を投稿している。「#MeNext?」のフェイスブックアカウントには、1万回以上の「いいね」が押されている。

「全体的な議論の中では大海の一滴かもしれないけど、こういう動きが事件をなくすための第一歩になると強く信じています。学生たちは恐れる気持ちを変革への糧としてほしい」

ミシガン西部のカラマズー・セントラル高校出身の10代の若者たちは「大人たちがやらないから若者が銃と闘う」と題した署名運動を開始し、5万件近くの署名を集めた。

17歳のジュリア・ケンプル・ジョンソンさんは、フロリダ州パークランドで乱射があった1日後に友人らと交わした議論から署名運動を思いついたという。友人らは1週間おきでに銃暴力について話し合っているように感じていたという。

Image copyright Kimberley Wheeler
Image caption バージニア州チェスターフィールドの15歳、マッケンジー・ジョーンズさんはネットを通して「#MeNext?」運動に参加している。

「乱射事件は物心ついた時からあった」とジュリアさんはBBCに話した。

「学校の先生は当時はコロンバインが警鐘になったというけど、私たちはその時に生まれていなかったから乱射事件が当たり前になって、感覚が鈍っている」

ジュリアさんたちはコロラド州の団体と連携し、さらにフロリダの事件の生存者ともつながろうとしている。目標は、地元議員らを動かし半自動火器購入時に身元調査と評価のために義務的な待期期間を設けることだ。

メーン州では、マウント・デザート・アイランド高校の生徒たちが独自に無言の抗議を行った。

ネットワークは絶えず広がっており、運動を組織する10代の若者たちは互いに交流して団結しようとしている。

14日のフロリダの乱射事件の生存者たちのツイートは、何百回もシェアされ国内の仲間たちから支援のメッセージを受け取っている。

感情的な反応が有意義な変化へつながるのか、現時点では不明だが、選挙権を持たない何千人もの若者たちが自分たちの声を届けようと、力の限りを尽くしている。

(英語記事 In Florida aftermath, US students say 'Never Again'

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