この5曲は神について歌っている それをあなたはたぶん知らない

マーク・サベジ BBC音楽担当記者

ジャスティン・ビーバーは、「クリスチャンにふさわしい」曲でアルバムを作っているらしい Image copyright Getty Images
Image caption ジャスティン・ビーバーは、「クリスチャンにふさわしい」曲でアルバムを作っているらしい

英紙サンによると、ジャスティン・ビーバーが宗教的なコンセプト・アルバムをレコーディング中だという。

キリスト教ペンテコステ派の巨大教会ヒルソング教会を通じて信仰心を再燃させたビーバーは、キリスト教のメッセージを込めた曲を製作中だと言われている。

「これまで作った曲には、愛と贖罪の重要テーマが含まれている」と同紙は伝えた。「一部のファンは確実にびっくりするはずだ」。

サン紙の記事には前提があるようだ。つまり、宗教的なテーマのポップソングは自動的にひどい出来になる、あるいは少なくともヒットチャートには合わないという前提だ。キリスト教的に言えば、悪魔の方がヒットを飛ばしやすいと。

しかし、ラッパーのストームジーによる「Blinded By Your Grace」(「おお、私の神よ、私の仕える神よ」)からレゲエアーティストのボブ・マーリーが歌った「One Love」(「主に感謝と賛美を、そうすれば大丈夫」)まで、主要なアーティストが信仰を素晴らしいポップソングにしている例は山ほどある。

そこで、あなたがたぶん気づいていない、神学的なテーマを持った5つの曲を紹介しよう。

1) レニー・クラヴィッツ - 自由への疾走(原題:Are You Gonna Go My Way

ロック界で最も強烈なリフの1つが、救世主的存在が弟子を集めるという内容の歌詞と結びついている。

「俺は選ばれし者、唯一の人間」。ロックスターのクラヴィッツは歌う。「だが本当に知りたいのは/お前も俺の道を行くのかってことだ」。

一瞬の閃光(せんこう)のようなひらめきから、この曲は生まれた。クラヴィッツはこの曲の歌詞を、茶色い紙袋に走り書いたと振り返る。だが、この曲はクラヴィッツの日々の信仰を反映したものだ。

クラヴィッツの背中には、「私の心は神のもの」と書かれたタトゥーがある。そして彼は、キリストのことを「究極のロックスター」と呼んだこともある。

2) キャンディ・ステイトン - You Got The Love

ディスコの女王、キャンディ・ステイトンの「You Got The Love」は、彼女が現世的な音楽に背を向け、教会にその身を捧げるようになった後、1980年代に録音された。

実に奇妙な話だが、この曲が一番最初に世に出たのは、世界で一番太った人が減量しようとするビデオだった。

この曲がついに有名になったのは、ダンス音楽アーティストのザ・ソースが1991年に発表したリミックス版を通じてだ。国内各地のレイブ(ダンス・イベント)で、「我が救世主の愛は真実」といった歌詞が響き渡った。

この曲の成功が、ステイトンのキャリア再評価を促した。

「この曲はとても感動的な曲で、私に再考を促してくれた」とステイトンはガーディアン紙に語った。「教会にいる人たちはよく、世俗音楽は悪魔の音楽だと言っていたけれども、それは違うと気づいた」。

3) U2 - Until The End Of The World

強力にスピリチュアルなテーマが、U2のキャリアを貫いている。4人は一時、バンドをやめて、教会にその身を捧げようと考えたことさえある。

その曲の多くは、聖書の教えを基盤としている。いくつかの教会は、賛美歌の代わりにU2の曲で聖餐式を行う「U2カリスト」を始めたほどだ(訳注・「聖体」を意味する「ユーカリスト」をもじったもの)。

物語性という意味でU2の最も力強い曲といわれているのが、「Until The End Of The World」だ。ゲッセマネの園にいるイスカリオテのユダの視点で歌われている。

この曲は、ユダがイエス・キリストを裏切る場面を歌う。打ち合わせどおりの合図をユダがすると、イエスは神殿の衛兵に見つかり、逮捕され、最終的に十字架にはりつけにされる。

「私はあなたの唇に口づけし、あなたの心を砕いた」とボーカルのボノはユダとして歌う。「ああ、あなたはまるで世界の終わりのように振舞っていた」。

4) ザ・バーズ- Turn! Turn! Turn!

「生まれる時、死ぬ時/種まく時、刈り取る時/殺す時、癒す時/笑う時、泣く時」

ザ・バーズが1965年に飛ばしたヒットは、ソロモン王が人生の意味や、神、永遠について熟考する、旧約聖書の中の「伝道の書」第3章をほとんどそのまま基にしている。

この曲は「おそらく聖書からそのまま抜き出したような曲がヒットチャートの1位を取った唯一の例だ」とギタリストのクリス・ヒルマンは後に米議会図書館に語った。「ピート(・シーガー、作曲者)が自分の分身を書いたことを知っている。ソロモン王がそんなに完璧な人物だったかは知らないけれど」

ヒルマンは曲を書いた当時、宗教を信じていなかった。実際、彼によると歌詞はほとんど「冗談」だったという。だが、彼は後年、キリスト教を信じるようになった。

5) プリンス - Let's Go Crazy

そう、確かにこの曲は教会のオルガンに乗ったプリンスの説教で幕を開ける。ただ、多くの人がセックスと「紫のバナナ」(意味は聞くな)についての歌詞に惑わされ、「Let's Go Crazy」の宗教的なメッセージを見逃した。

この曲は、人々を「堕落させ」ようとする「ディ・エレベーター」と呼ばれる不可解な悪魔の誘惑に屈服することなく、人生を送ってほしいという嘆願だ。

正しい道を歩む者への報酬は、来世だ。「昼も夜も常に日が昇る、終わりなき幸福の世界」。

プリンスはよりはっきりと宗教的な曲も残しているが(たとえば、エホバの証人をコンセプトにしたジャズ・ファンク色の強いアルバム「The Rainbow Children」)、こんなにも楽しい宗教音楽を作ることは二度となかった。

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(英語記事 5 pop songs you didn't know were about God

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