増える電子たばこ需要、5つの表で見る

ローラ・ジョーンズ、BBCニュース・ビジネス記者

Young woman wearing glasses and smoking an e-cigarette. Image copyright Getty Images

夏休みの旅行を楽しみにしている人たちにとって、荷造りはストレスの元だ。しかし、例えばタイに電子たばこを持っていったら、罰金や禁固刑になることを知っているだろうか。

ほかにも、セーシェルやブラジルは電子たばこの販売を禁止している。しかし、電子たばこの消費は世界的に右肩上がりに増えている。

拡大を続ける電子たばこ産業を、5つのチャートで分析する。どれほどの人々が吸っているのか、使われている金額はどれくらいか、そしてなぜ、人は電子たばこを買うのだろうか。

1. 人気急上昇

世界保健機関(WHO)の最新統計によると、世界全体の喫煙者数は2000年以降、わずかながら一定のペースで減少している。2000年の11億4000万人から、現在は11億人になった。

しかし、電子たばことなると状況が異なってくる。

Image caption 全世界の電子たばこ利用者数の推移。単位は百万人

電子煙草を吸っている人は急増している。2011年の700万人から、2016年には3500万人に達した。

市場調査会社ユーロモニターは、2011年には電子煙草を吸う成人は5500万人近くになると推測している。

2. 電子たばこへの支出拡大

利用者が増えたことで、電子たばこ市場も拡大している。

世界の電子たばこ市場は現在、226億ドル(2兆5000万円)規模と言われている。わずか5年前には42億ドル規模だった。

米国と日本、英国が最大市場だ。この3カ国の電子たばこ利用者は、2016年に計163億ドルを無煙たばこや電子たばこ製品に費やした。

Image caption 2016年の国別電子たばこ市場。単位は100万ドル

欧州からはスウェーデンやイタリア、ノルウェー、ドイツがトップ10入りした。

3. オープン・システムの電子たばこが一番人気

電子たばこには、オープン・システムとクローズド・システムの2つのタイプがある。オープン・タンク、クローズド・タンクとも呼ばれる。

オープン・システムでは、蒸気化する液体を利用者が手作業で詰め替える必要がある。また、吸い口部分も取り外しができる。

Image caption 世界の電子たばこ売上高。赤色がオープン・タンク、緑色がクローズド・タンク。単位は10億ドル

クローズド・システムの電子たばこは、パッケージになった詰め替えを使い、電子たばこの電池に直接ねじで装着する。

2011年以降、両タイプの売上高の差は徐々に開いてきている。2018年には、オープン・システムの売上高が89億ドルに達し、クローズド・システムの2倍になると予想されている。

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4. ほとんどの電子たばこは専門店で売れる

大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)の報告によると、ほとんどの電子たばこ利用者は、装置などを専門店で購入している。

2015年には、英国とフランス、ドイツ、ポーランド、イタリア、ロシア、韓国で電子たばこを吸う人の35%が、専門店で購入していると答えた。

Image caption 電子たばこの購入習慣の分布。2015年に日常的に電子たばこを吸う3000人に質問したところ、専門店での購入が装置と詰め替える液体で共に1位だった。これにオンライン、スーパーマーケット、たばこ店などが続いた。単位は%

EYの委託でカンターが実施した調査によると、対象となった3000人の21%が電子たばこの装置をオンラインで購入したと答えた。

調査では、消費者は最初の電子たばこを対面で買うことで、新製品を身近に感じたり、自分に合った装置を見つける手助けを求めているとみている。

欧州で電子たばこの最大市場となっている英国には、推定2000軒の専門店がある。

5. なぜ人は電子たばこを吸うのか

EY調査の対象7カ国では、電子たばこを吸う理由として最も多かったのが、「普通のたばこより害が少ない」ことだった。

また、日常的に電子たばこを吸っている人の49%が喫煙習慣を減らすために電子たばこを使っていると答えた。

Image caption 電子たばこを吸う理由としては、「通常のたばこより害が少ないから」が主意だった。これに「喫煙を減らすため」「他人をわずらわせないから」「禁止されている場所が少ないから」「多くのフレーバーが楽しめるから」が続いた。単位は%

イングランド公衆衛生庁(PHE)の報告によると、電子たばこは普通のたばこに比べて害が少ない。また今のところ、電子たばこが若年層の喫煙を促進しているという証拠はない。

PHEは、電子たばこは禁煙を目指す人々を助ける役割もあるため、病院で処方できるようにすべきだとしている。

一方、WHOは電子たばこに関していくつかの懸念を挙げている。

  • 長期的な影響が不明
  • 電子たばこで気化させる液体に含まれるニコチンは有害
  • 電子たばこを詰め替える際に液体を皮ふにこぼした場合、ニコチン中毒となる可能性がある
  • 電子たばこに使われる甘いフレーバーの一部は刺激物で、気管が腫れる可能性がある

(英語記事 Vaping - the rise in five charts

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