新種のサメが英国に出現 気温上昇で

英サウサンプトン大学が発表した研究は、海洋が温暖化したことで英国の海に新種のサメが移動してきた可能性を示唆している。

サウサンプトン大学国立海洋学研究所のケン・コリンズ博士は、気候変動により、現在は世界の温暖な地域でしかみられない10種のサメが2050年までに英国の近海で暮らすようになる可能性があると指摘する。

これからの数十年でよく見かけるようになるかもしれないサメを何種か紹介する。

ヒラシュモクザメ(グレートハンマーヘッドシャーク)

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グレートハンマーヘッドシャークとしても知られるヒラシュモクザメは、将来的には英国で見られる最大のサメになるかもしれない。食物連鎖の頂点に立つこのサメは、世界中の熱帯および温帯の海で見られ、体長は6.1メートルに達することもある。

このサメの頭部にみられる特徴的なハンマーは、恐らく複数の機能を持っている。海底で大好きな獲物であるアカエイの電気信号を感知するのに使われるほか、小型の魚を叩き、気絶させるのに使われている可能性もある。

ヒラシュモクザメは、その大きなヒレを狙って大量に捕獲されている。ヒラシュモクザメのヒレは、サメヒレのスープを作る主材料としてアジアの一部で高い価値がついている。このサメが人間を襲うことは極めてまれ。

カマストガリザメ

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カマストガリザメは熱帯沿岸や亜熱帯の海洋でよく見られるが、将来的には英国の沿岸周辺に永住する種になる可能性があるサメの1種でもある。

コリンズ博士によると、「今後の30年間に、地中海などの温暖な地域に広がるサメがより多く英国の海で見られるようになる可能性は高い」という。

「英国に来る可能性があるサメには、今はスペインやポルトガル近海でみられるカマストガリザメやシロワニ、シュモクザメといった種も含まれる」

カマストガリザメは、体長が大きいサメの種類トップ10には入らない。普通は体長約1.5メートルほどにしか成長しない。しかしこのサメは、回転しながら水面から飛び出してくることで知られる。このジャンプは、魚群を回転しながら進む餌集めの回遊の終わりに起きる。

カマストガリザメはメジロザメ科の一種として知られる。この科は全体としては、サメが人間を襲ったと報告されている出来事の多くを引き起こしたと考えられている。しかし重要な点として強調しておきたいのは、どんなサメも人間を攻撃することは極めて珍しいということだ。

クロヘリメジロザメ

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コッパーシャークとも呼ばれるクロヘリメジロザメもまた、温暖な地域でみられるサメで、体長は最大で3.3メートルに達する。

細い流線形の体を持ち、比較的雑食で、イカやタコ、メルルーサやマグロ、イワシなどの硬骨魚、小型のサメやガンギエイ、アカエイなどの軟骨魚類も食べる。ただ、自身がより大きなサメやシャチなどの獲物となることもある。

ヨゴレ

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ヨゴレは単独行動が多く動きも遅い魚で、水面近くで発見される傾向がある。しかし、潜在的な食料源を見つけたり、他のヨゴレと「餌取り合戦」になるとしつこい。

餌取り合戦になると、複数の捕食者が大きな魚群など1つの食料源に集まり、激しく暴れる。動くもの全てを襲うのだ。

ヨゴレが海岸近くで見つかる傾向はない。

シロワニ

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シロワニは攻撃性で知られるホオジロザメと遠戚だが、ホオジロザメほど大きくない。体長約3.2メートルにもなるどっしりとした体を持つ。

水深200メートル近くの大陸棚を動き回るところがよく見られ、比較的捕まえやすい。そのため、水族館で見られる最も一般的なサメでもある。

シロワニは興味深くも恐ろしい、「子宮内共食い」と呼ばれる行動で有名だ。妊娠期間中、より育った胚が、より弱い別の胚を食べるのだ。


ハチワレ、バケアオザメ、クロトガリザメ、ドタブカ、ミツクリザメなど、上に挙げた以外の種も2050年までに英国近海に出現する可能性がある。

もちろん、既に英国の海に生息しているサメも何種かいる。異なる40種の小型ザメ1000万匹と大型ザメ10万匹が英国近海で確認されている。

研究はまた、南西部コーンウォール州を現在の英国における「サメの首都」と名づけた。少なくとも20種のサメが同所で見つかっているという。デボン州やシリー諸島がコーンウォール州に続く。

コリンズ博士は「これから数十年で英国周辺に現れる可能性があるサメの種類は増えるかもしれないが、サメ全体の数は、過剰な漁獲やプラスチックゴミ、気候変動の結果として、特に大型種において下落するだろう」と述べた。

「こうした素晴らしい生き物の早期絶滅を防ぐため協力することがとても重要だ」

(英語記事 The new sharks coming to UK as temperatures rise

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